アドバンスドケアプラン(ACP)の重要性を改めて感じる~高島地区や草津栗東地域多職種連携研修会を通じて~

   

このところ 滋賀県医療福祉推進アドバイザーの仕事が忙しい。特に各地の自治体と医師会が共催する「多職種連携の研修会」に招かれることが多い。滋賀県内では 国が推進する在宅医療・介護連携推進事業に併せて 県が推進する“退院支援ルールの普及”を契機に 自治体と医師会の連携により 多職種連携の話し合いや研修の場が広がっている。確かにアドバイザーとして 地域包括ケアの目的共有や現状把握等 役割を発揮できる格好の場所である。

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私にラブコールをくれる地域には 必ずと言っていいほど 熱い保健師やケアマネ 看護職やソーシャルワーカー そして事務職がいる。さらに 在宅医療の推進に極めて関心が高い医師が存在し、その医師の多くは がんの末期患者を自宅で看取った経験がある。だから 講演のストレスは 私自身の原動力になっている。

10月27日行われた高島市の会では 市の担当の古谷靖子氏(主任ケアマネ)の企画により 清水豊彦市健康福祉部長の熱のこもったご挨拶に始まり 在宅医療ケアをけん引される 前田昌彦先生(あいりんクリニック理事長)の 講演後のディスカッション・マネジメントがある。11月4日の草津栗東地域でも同様に 沖田文子氏(市地域包括支援センター 看護師)の熱意や 公衆衛生マインドを重視された木築野百合先生(きづきクリニック 医師会理事)の参画がある。

特に全体を支える医師の存在は大きい。がんの末期患者を自宅で看取った経験のある医師は 在宅医療の推進に極めて関心が高いが 今回もそれは共通していた。死ぬ間際で在宅に急性期病院から投げ出された(送られた)患者・家族を 訪問看護師とともに 短い期間でできるだけQODを上げながら看取ってきた経験から 今の医療の限界や問題を痛感されるからだと思われる。もう少し患者が元気なうちになぜ在宅に戻せなかったのか また帰らなかったのか? 医療者(急性期病院)や家族の 在宅医療活用への意識改革を痛感されており ひいては公衆衛生マインドを磨かれている。緩和ケア研修プログラム(Peace)が がん拠点病院主催で各地において開催されており 患者の生き方・死に方に主眼を置いた医療の重要性についても その普及が図られているが 急性期主体の病院ではまだまだ発展途上であり 残念ながら公衆衛生マインドが染み渡るには至らず 治療・延命重視の方針に大きな変化は見られない。

Peaceプログラムの“アドバンス・プラニング”は 緩和ケアの範疇に留まらず 病気を治すことでも延命でもなく QOL・QODを重視した 特に高齢者を対象とした医療 まさに地域包括ケア時代の医療の方向性を明確に示すものである。医療や福祉関係者が共有すべき内容であり そのことで自信をもって 患者や家族と接することが 在宅医療の推進につながると考えている。私の講演の核にはこの理念があり そのことが在宅医療ケアの現場の活動に響くことで 参加者のモチベーションを上げることが可能になっていると痛感している。

*アドバンス・ケア・プランニング(Advance Care Planning)とは・・・患者が治療を受けながら、将来もし自分に意思決定能力がなくなっても、自分が語ったことや、書き残したものから自分の意思が尊重され、医療スタッフや家族が、自分にとって最善の医療を選択してくれるだろうと患者が思えるようなケアを提供すること。簡単に言うと“もしものための話し合い”で “もしもの時”に 自分がどんな治療を受けたいか または受けたくないか そして自分という一人の人間が大切にしていること(価値観)などを 前もって大切な人達と話し合っておく その一部始終が含まれている。

 

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