糖尿病の重症化防止をきっかけとした 地域包括ケア時代の地域づくり~JMAPの第三回年次学術集会

   

2月11・12日 兵庫県武庫川(駅が川の上にあるんです)にある兵庫医科大学平成記念会館において JMAP(代表理事 平井 愛山氏)の学術集会が開催されました。JMAPのミッションは 慢性疾患の重症化予防によって 地域の医療を守り 医療費の増加をおさえ 国民皆保険制度の存続につながることで 患者層別化データベース(疾病管理MAP) 多職種(医師・看護師・栄養士・コメディカル等)による連携協働という特徴を生かし 従来の臓器別・職種別でもない全く新しいスタイルの臨床エビデンスを導き出すことで 臨床ワークフローの再構築を実現していくこととされています。

今回のテーマは“糖尿病 重症化防止の新展開”ということで、私の役割は シンポジウム-1「JMAP方式による糖尿病性腎症重症化予防プログラムの実践と成果」の座長です。特に興味深いのは 演者が大城一郎氏(八幡浜市長) 中野五郎氏(臼杵市長) 浅見広行氏(皆野町長代理:参事兼健康福祉課長)といった市町のトップです。会場には朝9時からのスタートにも関わらず 100名ほどの参加がありました。いずれの地域も 糖尿病に着目した健康づくりや2次予防そして重症化予防に 病院等そして医師会等各団体・住民等が協働して地域ぐるみで取り組み 概ね3年間で既に 患者を減らし医療費等の社会保障費の圧縮など成果を出されています。やはりトップがその気になると違います。私自身も八幡浜市の取り組みに関わらせていただきましたが 予算や事業など行政にしては極めてスムースに確保企画され 行政スタッフも積極的に取り組んでいる姿が印象的でした。

疾病管理がきっかけではありますが 市行政と医師会が連携協働することで 住民の主体性を引き出した地域づくり活動につながること 糖尿病専門医をはじめとして限られた地域資源が 医師会や歯科医師会他関係機関や住民団体等とつながることによって 機能を発揮すること そしてそれが短期間で効果を表すことなど 糖尿病対策をきっかけとした地域包括ケア時代の保健医療マネジメントの重要性を改めて確認できました。このモデルは人口5万以内の小規模地域を対象に進められてきましたが その成果が実証されたことから 今後は大中規模の市部の取り組みに展開させていきたいと 代表世話人でありこれらプロジェクトの仕掛人:平井先生から 意欲溢れるコメントがありました。

 

 - その他