大阪発‼ 我が事・丸ごとの地域づくりにむけて~大阪府自治労:地域医療と介護を考える集い~

   

11月11日(日)13:00~17:00、大阪市北区のPLP会館において、自治労大阪府本部主催による、「大阪発!地域医療と介護を考える集い」が開催されお招きいただきました。自治労とのお付き合いは長く、全国や各地方の自治労の集まりには、しばしばうかがっており、大阪にも2016年11月の「大阪発!地域医療と介護を考える集い」にお招きいただきました。自治労大阪府本部では、地域包括ケアシステムの構築における医療と介護の連携、地域とのかかわりといった課題について共有し認識を深めるためにこの集いを発足させ、医療・介護・保健予防・福祉等のタイムリーな情報を発信しながら、地域や諸団体と交流する機会を作り、労働組合運動にフィードバックするために、組合の濱本氏・平子氏らが中心となって、大阪発信‼「10年たっても元気やでプロジェクト」を立ち上げ、事業やセミナー等の企画・実施を積み重ねてこられています。今回は、地域包括ケア時代において、その真意を確認して、「地域共生社会」という概念を捉え、医療・介護にたずさわる組合員がどう考え取組んでいくのか、2年ぶりに企画されたとのことです。再び私にお声がかかったということは、責任重大さを感じずにはいられません。会場には50名余りが参加し、日曜日に開催される自主的な集まりだけあって、座らされている人はいないため、会場内は開催前から熱気ムンムンの状況でした。演題名は『「地域包括ケア時代」 超高齢・人口減少社会の医療の役割と今後の展望』ですが、自治労のとのこれまでのお付き合いに免じて、歯に衣着せず言いたいことを、110分ぶっ通しで申し上げて参りました。講演内容の要旨を以下に記載しています。私の講演が、参加者の共感を得て、これからの活動につながることを切に祈るばかりです。

なお第2部として、15:10~17:00、「我が事・丸ごとの地域づくりにむけて何ができるのか?」をテーマに、パネルディスカッションが行われました。森詩恵氏(大阪経済大学教授)がコーディネーターとなり、パネラーとして、在宅医療を担う立場から、中嶋啓子氏(高槻市・なかじま診療所院長)らが参加し、「地域共生社会」の目指すものやその実現について、話し合われました。

<講演要旨>

日本の社会保障制度は継続可能なのか、国が出したその答えが、地域包括ケアシステムであり、医療・介護費の抑制策ではなく、日本の将来をどう創っていくか、社会保障制度の在り方を模索する、我が国の存亡をかけた一大チャレンジだ。一方、病床再編で医療費抑制を全面に打ち出した医療ビジョンさえも、地域包括ケアシステムに統合されることで、行き詰まりから脱却した感がある。地域包括ケアシステム導入の経緯やその真意を知ることで、今後の動きを予測することが可能となったのだ。

今改定の基盤には、“生活に戻すため”というマインド(志)が明確にされている。病院経営の根幹となっている“入院基本料”は、サービス提供体制重視から、‟患者を生活に戻す“という結果にコミットしてこそ成果報酬として算定される。その人らしい生き方の実現において、疾病管理はあくまでその一手法といった捉え方が、連携(統合)を推進させる。病院は地域密着型病院として、‟入院前から退院支援”を意識して、常日頃から、地域で生活を支えている“かかりつけネットワーク”と連携がとれていてこそ、評価され経営が成り立つことになる。

急激な高齢化や人口減少化などに注目しながらも、目前の課題に翻弄されることなく、将来の明るい長寿社会をイメージして、「参加」と「活用」を重視した地域を創造していく意識と、実現に向けた協働が求められている。支える人と支えられる人を区分する時代は既に終わり、お互いが支え合うことで、時代を活き抜くことが可能となる。医療や介護は180度大転換、 “社会的弱者ケア重視から、むしろ社会的弱者を産み出さない、彼らが地域社会において活躍できる” ように、疾病管理から生活支援へ、大きく転換させていかなければならない。医療費・介護費は抑制するのではなく、地域を活性化させる‟投資 “として受け止めるべき時代が来たのだ。

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