地域包括ケア時代のリーダーが育まれる~政策研究大学院大学:医療政策短期特別研修~
8月9日(水)1限(9:00~10:30) 政策研究大学院大学の医療政策短期特別研修の特別講師としてお招きいただきました。当大学の島崎謙治教授と4年前にお会いしてから 毎年うかがい今年は4回目となります。テーマは「生活を途切れささない医療・介護 ~元気高齢者を育成支援する地域づくり~」で 参考までにシラバスは下記に添付しています。30年度の診療報酬に向けて 中医協が検討を進めていますが 私が数年前から提唱していた「入院前から退院支援」が今回のキーワードとなっており まさに私にとっては“風が吹いて来た”感があり この機会に人材育成にもできるだけ関わりたいとの思いがあります。
当研修には1年コースの受講生に加えて 都道府県及び市町村行政や看護協会等職能団体 またコンサルティング会社等の人材育成に関わる方々など 全国各地から40名程度が集まります。短期特別コースの3週間の研修は 自分が言うのもなんですが 島崎教授の采配で講師陣が幅広くかつ充実した構成となっており 私自身も受講生になりたいと思うぐらいです。全国各地でこのコースの卒業生とお会いすることが時々あるのですが 活躍されている方ばかりです。受講生に共通したモチベーションの高さも要因でしょうが この研修がその大きな後押しになっていると確信しています。今回の受講生の方々ときっとどこかで一緒に仕事ができると 近い将来が本当に楽しみです。
【シラバス 櫃本真聿】
1.講義の目的・概要
1)少子高齢社会の最優先課題
・現状分析 医療も時代に応じて変わらなければ
・疾病対策 介護予防対策 医療・介護の限界 地域包括ケアの危機感と目的共有
・「元気高齢者」の育成・支援 地域資源総動員による 地域づくり
2)我が国の医療崩壊の主因 医療依存、介護依存度を下げるために
・医療福祉の限界 公助は自助・共助を促すためのものであること
・住民への情報提供 意識改革 自立支援 地域づくりへの参画
・専門職の「してあげる」→「求められる」への方向転換
3)地域包括ケアは第4世代の公衆衛生革命 公衆衛生マインドの重要性
・医療や福祉・介護は 公助ではなく共助であること
・ヘルスプロモーション理念の理解
・ソーシャルキャピタルの醸成 既存資源の総動員
・リーソースマネジメント 何かを追加するのではなく 今ある資源で
4)生活を途切れささないための急性期医療 および医療体制のパラダイムシフト
・地域連携とは 「つなぐ連携」→ 「地域に戻す切らない連携」
・多職種多部門連携を実現する「プラットホーム」の必要性
・診断・治療重視 → 生活重視 地域生活志向型人材育成
・地域包括ケアシステム・かかりつけネットワーク構築への参画
5)MCCEプロセスの理解と実践
・課題解決型 ⇒ 目的達成型へ
・ミッションの明確化 コンセンサス・コラボレーション
・アウトカム(数値目標等)を評価指標に エンパワメントをゴールに
6)参考:愛媛大学医学部附属病院の改革
・総合診療サポートセンターの設置と活動
・病院を地域資源・生活資源とするための改革