真の0次予防を地域包括ケア時代の基盤づくりに~近江八幡市0次予防推進協議会~
2月9日(金)13:30~、近江八幡市0次予防推進協議会(浅野定弘会長:近江八幡市蒲生郡医師会顧問)が開催され、アドバイザーとして参加いたしました。「0次予防」の概念については、従来から健康づくりの分野で1次予防から3次予防の考え方があり、その前段階の取組みとして0次予防を病気になる前の予防として「先手を打つ」という表現が用いられています。しかし、近江八幡市においては、少子高齢社会において、高齢者層はすでに何らかの病気や障害を抱えている人が多くを占めていることから、従来の疾病対策重視から脱却して、生活を重視した自分らしく生きそして全うする、真の健康寿命の延伸に寄与する活動として、0次予防を位置付けています。まだまだ市民や関係者には、このような考え方は浸透していない現状を踏まえ、今後の実践活動を通して、当市の考える0次予防を普及していく必要があるとしています。つまり、市民が生涯、活き活きとこの地で活躍できる基盤整備として捉え、具体的には生涯活躍のモデルとなる人材の育成・支援や、話し合ったり活躍できる場所の創出を目指しています。
会の当初、私から15分程度、0次予防についてのプレゼンを行いました。担当者が地域に出向き、いわゆる一本釣りでお願いした各委員からは、熱意にあふれた積極的な発言があり、0次予防の概念や目指すべき姿についてのコンセンサスは概ね図られたと思いました。キーワードは「健康のための0次予防ではなく、自分らしい生き方を実現するための健康」です。身体的な健康に留まらず、意欲を引き出し、ときどき医療ときどき介護を受けながらも自分らしく生き地域のために貢献したいと思う“元気高齢者”で溢れるまちづくりを目指した、まさに地域包括ケア時代の基盤づくりそのものが、この0次予防なのです。今後この協議会が、行政主導ではない住民が主体的に取組めるような、地域づくりの牽引役を果たしていただけると、意を強く致しました。なお今後の計画としては、①0次予防効果促進事業 ②0次予防の普及啓発 ③健康未来食品開発事業(委託):カフェのランチメニュー開発 ④健康情報発信センター運営事業 ⑤まちの保健室運営事業 ⑥人材育成事業 等々が挙げられており、来年度から本格的なスタートとなります。