地域包括ケア時代は薬剤師がけん引する!~近畿薬剤師学術大会 in 滋賀~
2018/11/05
11月3日(土)は、琵琶湖湖畔にそびえ立つびわこ大津プリンスホテルにおいて、近畿薬剤師学術大会(滋賀県主催)が開催されました。その中で「健康サポート機能を通して、薬局・薬剤師がやるべきこと~キーワードは健康であり続けるための、生活に戻すための、他職種連携~」というテーマで分科会2が行われ、講師としてお招きいただきました。分科会のテーマは「健康サポート機能を通して、薬局・薬剤師がやるべきこと~キーワードは健康であり続けるための、生活に戻すための、他職種連携~」とされ、滋賀県薬剤師会の常務理事である永井智宏先生や村杉紀明先生の企画によるものです。
講演①では、薬局ビジョンの提案者でもある薬剤師界の重鎮である赤池明紀氏(京都大学名誉教授、和歌山県立大学薬学部設立準備室長)が、薬剤師や医薬分野の現状や展望について、特に公衆衛生的な面を重視されながら大所高所からのお話がありました。引き続き講演②の私へのリクエストは、地域包括ケア時代において、薬剤師のこれからの在り方、いかに住民を生活に戻していくか、薬剤師の医療職としての倫理観や心構えなどについて、熱く語れということでした。薬剤師は何を目指すのか! “医療なしの生活支援は在り得ない!生活に戻せない薬剤師は地域に必要ない! 患者をエンパワメントすることで、社会的弱者を産み出さず、社会に貢献する元気高齢者を育成支援していこう!!・・・等々私から約45分の講演をさせていただきました。その後会場とのやり取りの中で40分余りのシンポジュウムが行われましたが、私からの質問・・・1)薬を出さないという意識の薬剤師が必要性である、2)かかりつけ医よりもかかりつけに薬剤師はなれる可能性がある、3)課題解決型ではなく目的達成型である、4)疾病管理より生活支援の視点を重視している、5)公衆衛生薬剤師が必要性である、6)やりたいことをやっていると思う・・・等々を取り上げていただきました。会場には150人余りの参加者があり、これらの質問に積極的かつ前向きに回答していただきました。私の講演内容に共感していただいた状況を肌で感じることができ、概ね今回の目的は果たせたのではないかと安堵する一方で、さらに薬剤師・薬剤師会への期待は膨らみました。なお帰松のための飛行機の関係で、一足早く会を抜けるという失礼をしてしまいましたが、どうかご容赦ください。
滋賀県薬剤師会では、厚労省から発信された「21世紀薬局ビジョン」を活用して、健康サポート機能の見える化推進事業「まかせてよ!もっと身近に 薬剤師」を実施されています。この事業は毎月テーマを設定し、連携先他職種と協働して実施することで、患者・地域住民だけではなく、連携先多職種にも薬剤師の健康サポート機能について相互理解をしていただく事で、真の健康サポート機能を目指していこうという事業です。他県でもこのような取組みは始まっていると思いますが、私の知り得る限り、滋賀県薬剤師会が最先端を走られているように思います。滋賀県の医療福祉アドバイザーとして3年目の目玉として、薬剤師会の活動推進に関わっていければとワクワクしているところです。公衆衛生薬剤師の活躍を心から期待しております!