社会福祉協議会が地域包括ケア時代を牽引する〜宿毛市連携推進研修会「夏の陣」〜
7月28日(日)13時30分〜、宿毛市総合社会福祉センターにおいて、地元社会福祉協議会が企画・主催で、医療・介護・福祉連携推進研修会が開催され、昨年に引き続きお招きいただきました。当地域の医療・介護・福祉事業等従事者、行政機関職員で、約45名の参加がございました。当地域には以前もうかがっており、既に地域包括ケアの真意を伝え、それを乗り越えるべくマインドについてもお話しさせていただいています。今回は、宿毛市:夏の陣『「何のため」はマネジメントの基盤~ケースメソッド的検討の薦め~』と題して、目的にかえった話し合いを、日常的にファシリテート(マネジメント)できる人材の育成が狙いです。宿毛市自身が用意した3事例を活用し、約3時間に渡って、グループディスカッションを中心とした研修会を運営しました。
主催者の狙いとして、少子高齢化が進む中、「ときどき医療、ときどき介護」で、一人一人が自分らしい暮らし方を継続できるよう、自立支援・セルフケア推進に軸足を置いた医療や介護のあり方を重視しています。これまで以上に、より質の高い医療や介護を提供するためには、生活を分断することなく、必要な時に、必要なだけの支援を届ける体制の構築が求められ、専門職や関係者が相互に連携を図ることの重要性が一層高まっていることを意識されています。宿毛市においては多職種・多機関の連携強化図るため、事業所間の交流研修や医療・介護・福祉連携推進研修に取り組むほか、地域ケア会議の開催などにより連携の強化に取組まれています。そこで、ケースメソッド的事例検討を用いた研修会を開催して、課題解決のための方法・手段の共有ではなく、目的を達成することを明確にした、多機関・多職種の連携強化を図るために、そのマネジメントができる人材を養成する必要がありました。
宿毛市のスタッフ自身が作成した3事例は、いづれも重要な課題で、どうすればいいのか、そう簡単には見つからない内容で、多少難題過ぎた感はありますが、ケースメソッドにはうってつけだと思いました。各グループ6〜7人での話し合いは、課題解決のための方法論に引っ張れる場面もありましたが、「何のために」を自問自答しながら、熱心かつ楽しんでディスカッションされていました。①患者や家族の真の求めをしっかりと引き出し共有する ②「元気高齢者」の育成支援のための医療・介護 ③認知症であっても住み馴れた地域で暮らし続けるための住民の意識醸成・・・などといった“ミッション”が引き出され共有されていました。
社会福祉協議会が、医療福祉や行政関係者を集めて、元気高齢者で溢れるまちをイメージして、その実現のための人材養成や多機関・多職種連携を推進されているのは、まさに社協の本来の活動でありモデルだと強く感じました。
連携とは、「目的を明らかにしそれを共有して、その実現のために互いの力を引き出しあう関係」と私は定義していますが、「何のために」の議論を重視したこの研修方法には、連携の基盤を作る上で、極めて効果的です。宿毛社協の今後の活躍に心からエールを送り、私も微力ながら関わって参りたいと思います。かき氷が美味しい、梅雨明けの尋常でない猛暑の宿毛市でしたが、懇親会でも暑さは続き、楽しく有意義な旅となりました。