愛南町「心の健康を考える会」~30年余り続きさらに発展する地域づくり活動~

   

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7月28日 私の公衆衛生活動の原点といってもいい 第二の故郷愛南町に行ってきました。さかのぼること30年余り前の昭和60年  私が若干30歳で 保健所長として赴任したこの地(元南宇和郡5か町村 現在愛南町)には 全国でも有名な地域活動が 今もなお継続し日々発展し続けています。愛媛県の精神衛生大会を この地を所管していた御荘保健所(現在廃止)の主催で開催することとなり 「単なるお祭り騒ぎで終わりたくない」との思いから 第一回南宇和精神衛生を考える会を企画いたしました。大会自体もこの地域では珍しい1000名を超える参加者があり 若い所長を支えてくれたスタッフや地域の関係者のチームワークに感激しましたが 一方「考える会」にも県内外から300名を超える関係者が集合し この分野の関心の高さや課題解決への期待の大きさを痛感しました。

6年間の御荘保健所時代は 考える会の会長を努めさせていただきましたが 転勤後はこの会の顧問として 今まで毎年「考える会総会」にお招きいただき講演させていただいています。よくネタが切れないで続いていることだと自分ながら思うのですが この会での講演においてマンネリ化を指摘されたら 私も引退の時だと覚悟して臨んでいます(笑)。

今回のテーマは 『地域包括ケア時代 考える会のチャレンジ~元気高齢者を生み出す地域づくりと職場のメンタルヘルス~』でした。今後の考える会の地域づくり参画への期待を込めて そして昨年法制化されたストレスチェック制度の導入を契機とした職場づくりについて 公衆衛生マインドを基盤に 約1時間半にわたってお話しをさせていただきました。地元県立南宇和病院の鶴岡院長・辻副院長(二人とも大学時代のラグビー部の後輩)菊池事務長を始め 医療・福祉・行政関係者60名を超える参加者が私を迎えてくれて 講演というよりは近況報告会のようなムードで 終始リラックス状態で 心地よい時間を過ごさせていただきました。

考える会のポリシーは 「障害者のためにではなく 障害者とともに」であり 障害があるからこそ この町で暮らすための鋭いアンテナを持ち それを互いに協力し活かしていくという「ノーマライゼーション」の本来の意味を実践する活動にあります。今この会を牽引するのは 正光会御荘診療所の長野敏宏院長で なんとこの7月に 「うつ病や認知症を含めて精神疾患はすべて地域で・生活の場で治す」という志のもと 御荘病院を廃止して 診療所に改編し 病棟はグループホーム他生活の場へと変換したんですね。先を見通す発想力・企画力・行動力そしてマネジメント力 とにかく素晴らしい!! 30年来の私の親友である渡部三郎先生(元御荘病院長)が 自分の後継ぎとして 長野先生をこの地に引っ張って来てくれたお蔭で 南宇和・愛南町の熱い志が覚めることなく さらに発展し充実してこれたんだと痛感しています。

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なお この会の“売り”はなんたって 終了後の“飲み会”です。熱い志を確認し合う場で ついいつもやりすぎてしまうんですよね!!

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