何のために! ケースメソッド的検討 ~和歌山県看護協会ファーストレベル研修会~
8月20・21日 連日35度を超える猛暑の中 平成28年度和歌山県認定看護管理者教育課程ファーストレベル研修会のため 和歌山県海南市の看護研修センターに行って参りました。この研修に関わってほぼ10年になります。もしかしたら どこよりも一番 和歌山県の看護師に講義してきているのかもしれません。ケースメソッド的検討研修も お陰様で途切れることなく発展継続し これまで研修生からいただいた 一人ケースメソッドのレポート(私の研修の評価として)をまとめただけで 看護師の日常のサポートが十分可能なぐらいの情報量です。実際どこかで本にしたいと思っているのですが・・・・
半日の地域包括ケア及びケースメソッド的検討法についての講義の後は いよいよ実践 グループ討議を中心としたプログラムで 概ね30分ディスカッション 15分発表と総括の45分サイクルで 次々と事例検討を行います。事例は全年度の研修生の一人ケースメソッドレポートから抽出したもので このサイクルを毎年の恒例としています。
今年の参加者は 募集を上回る55名で 県下各地から参加があり(図・表) 志・向上心(自分自身を磨く)の高い看護師の増加を心強く感じています。
私のねらいとするケースメソッド的検討とは 実際に悩んでいる日常的事例の検討を通じて 目的に返る つまり「何のために」を意識しながら 各々の判断力を養成する OJTにつなげる教育手法です。アイデア勝負の方法論の提案に留まることなく 目的の明確化・共有化のプロセスを重視した話し合いを通じて ヘルスプロモーション理念を基盤に ぶれない意識や実行力を身につけ チーム力のエンパワメントを図るスキルを磨くためのものです。「悩んでいるのは手段であって 目的ではない。手段に行き詰まったときこそ 目的に立ち返り プロセスの重要性を再確認することで 必ず一歩踏み出せる」と言う 私の持論に基づくものです。
事例検討を重ねるうちに どのグループにおいても 首を立てに振りながら 目的の明確化や共有が互いにできたことにうなずいて 満足感や仲間意識を醸成させていく光景を目にすることができます。たまたま縁あってグループになったにもかかわらず 研修終了後には 「この仲間で取組んだら日本一だね!」といった言葉が出ることもしばしば。半日の講義と話し合う場を提供しただけなのに・・・・ いかに現場には 目的に返って検討する場が不足しているのかを痛感します。
受講生が 現場に戻って リーダーシップを発揮して ケースメソッド的検討を普及してくれることを いつも期待しながら 「原点に返ることが大事です どうか現場に戻って 現実に返らないように(笑)」と エールを込めて現場に送り出しています。