多職種連携を推進するための研修会~佐伯市・岩国市~
2017/02/06
市町村と地域医師会が協力して 地域包括ケア時代を活き抜くために 生活を重視した多機関・多職種を対象とした研修会が各地で開催されています。地域格差はあるものの 全国的に“多職種連携”を掲げた研修会や話し合い等の機会が急増しているように思います。一方“地域包括ケアって何?”という声も 随分少なくなってきた感があります。市町村単独とは異なり 医師会が参画すると明らかに参加者が増え 受講者の私に送ってくる目線の熱さも違います。市町村と地域医師会が仲良く一致協力して取り組む 研修も含めた“安心と信頼の話し合いの場”は 地域包括ケア時代において もはや必須条件となっているように思います。さらに そこに地域密着型の病院が参画して 地域への積極的にアウトリーチや 話し合いの場を病院の敷地内に設けるなど 地域の“かかりつけネットワーク”の構築と合わせて 生活に戻すための病院改革が進んでいます。また保健所がこれらの推進において総括的役割を果たし多職種連携の推進に関わることは 全国のスタンダードとして 広がりつつあります。今回訪問した佐伯市や岩国市も まさに代表的なモデルであり 保健所や市町村の協働のもとに 特に医師会長のやる気や保健師のマネジメント力が光っていました。私を呼んでくれる地域は 既に私から言うまでもなく すでに条件を整えつつ確実に動き始めています。今後その動向が大変楽しみです。
さて 1月28日(土) 八幡浜から臼杵に渡るフェリーに乗って 佐伯市にうかがいました。会場は200名近い多職種が集合しほぼ一杯で 主催者側も地域包括ケアのテーマでこれだけ集まることはないと 地域の熱意の盛り上がりを実感されていました。市側と医師会側の両方のあいさつの後 早速講演に入り いつの間にかほぼ2時間お話をしておりました。終了後の懇親会では 市の幹部と島村康一郎医師会長や長門仁副会長(地元中核病院長)そして佐伯保健所長や保健師が こぞって「今後の佐伯市を見ていてください」と意気込みを聞かせていただき まさに講師冥利に尽きるというのでしょうか 佐伯市の応援団として今後も関わって参りたいと思います。
次に 2月4日(土)は 松山観光港から広島港に渡るスーパージェットに乗って 錦帯橋で有名で米軍基地のあるどことなく異国情緒漂う岩国市に参りました。在宅医代表や市長のご挨拶があり まさに“決起集会”というご紹介で 今後岩国市が多機関・多職種連携のもと 地域包括ケア時代を活き抜くための 元気高齢者の育成支援に目標を置いた地域づくりに取り組んでいく意志表明がございました。岩国市のシステムづくりの中心は松林課長をはじめとする保健師集団で 「ヘルスプロモーションは地域や住民のエンパワメントだ」とずっと言ってこられた率いる岩国環境保健所長がしっかりバックアップされています。このシステムに魂を入れるのは地域の方々自身であり 当会はそのための原動力となるよう企画されていました。 その甲斐あって 会場である岩国市医療センター医師会病院には200名に及ぶ参加者があり これまでこのような集まりは初めてとのことで 今後の責任の重さも実感されておられました。講演は私と厚労省の認知症対策専門官延(のぶ)育子氏で 全く打ち合わせをしていないのですが 厚労省の考え方と私の考えが全く一緒であることや 認知症を疾病対策として捉え それぞれ別個に考えるのではなく 他の課題と同様に 地域包括ケアシステムが推進されれば 認知症対策も自ずと推進されることが伝わったことと思います。
福田良彦市長も最後まで参加され 小林元壮医師会長からは「市と医師会はとても仲がいい。当医師会病院も地域密着型病院として大きく舵を取ることになった。医師不足は否めないが 多職種連携等地域資源が元気高齢者を育成支援するために協働していけるよう努めたい」といった熱い発言もいただきました。岩国市も私にとって目が離せないところになりました。