病院機能評価を活用して特定機能病院に期待される機能・役割を考える~長崎大学病院 病院機能評価準備研修会~

   

 6月2日(金) 長崎大学病院が 医療機能評価機構が 特定機能病院向けに新しく枠を設けた「一般病院3」の病院機能評価を受審されるとのことで その準備研修会に講師として招かれました。サーベイヤーとしてまだまだ経験不足の私に この任務を振ってこられた中心人物は 医療情報部で“あじさいネットに産みの親”であり地域連携分野の全国的リーダーの松本武浩先生です。病院機能評価のHow toであれば 多くの経験豊富な先生が全国にいらっしゃいますが 地域包括ケア時代の急性期病院 特に大学病院の在り方を前提に準備を進めたいとのことで 私にお声がかかりました。私が大学を辞めることを告知した際 わざわざ長崎から 同大学の川崎浩二先生(医療福祉支援センター)と共に心配して駆けつけてくれた友人ですので 志を同じくする仲間としてお応えしなければならないとの思いで 気合を入れて臨み 以下のような点を強調して参りました。

〇病院機能評価を受審するにあたって まず考えてみること

  • 受審の目的は 評価は?  受審(参加)することに意義がある?
  • 受審することへの 病院全体の受け止め方は?
  • 一般病院3(特定機能病院)として受審する意義?
  • 受審に向けてのプロセスを重視しているか?
  • サーベイヤーに何を期待する? アドバイス S評価?
  • サーベイヤーの意見・評価をどう受け止めるか?  チェック 指導?
  • 5年に一度 この間の4年間はどうする? イベント化?!

〇地域包括ケア時代の医療 目的役割を強調  自分達の病院をどう創るか

生活に戻すための医療を重視して 元気高齢者の育成支援に向けて 住民力・地域力のエンパワメントを地域とともに図っていくことなど

〇一般病院3のポイントはガバナンス 理念に基づいて病院を創る姿勢である

  • ガバナンスの評価が重要項目  重い管理運営責任 指導者の統治が問われ 組織と診療の各ガバナンスの密接な関係性 トップのリーダーシップが問われる
  • 病院の理念に基づいた 横断的取り組み  全体的に 計画的に推進する マネジメント   各々実施していることを列挙して説明するのはNG
  • 地域に模範的な取り組みを示す基準
  • 各項目クリアの底上げから 自ら創り上げるエンパワメントへ
  • MCCEプロセスを意識する 等々

会場には 長崎大学病院の医療者200名が参加して 20分の時間オーバーにもかかわらず最後まで熱心に受講していただき 受審への思いの大きさが伝わって参りました。私が大学病院時代 地域連携・退院支援部門において 長崎大学がまさにライバルでしたが そのコアが川崎・松本両先生です。この度 医療機能評価受審の中心人物のお二人 副病院長の鮎瀬卓郎先生と 安全管理部副部長の栗原慎太郎先生 そして彼らを支える強力なスタッフの皆さんとお会いして 恐るべし長崎大学を再び痛感した次第です。長崎大学病院が 他大学に先駆けて 一般病院3の認可を受けられ 院内医の士気をますます高められ 全国のリーダーとして特定機能病院をけん引していただくことは大変素晴らしいことだと思います。今後のご活躍を心から祈念しております。

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