新刊出ました!! -「地域に根ざした医療の創り方~生活に戻すための医療~」-

   

7月10日 私の本が日総研から発刊されました。医療・介護関係者等専門家向けではありますが そうでなくとも 十分ご理解いただけるようにわかりやすく書かせていただきました。

2013年に発刊した「生活を分断しない医療」(ライフ出版)は お陰様で多くの方にお読みいただき大変ご好評をいただきました。これをきっかけに 全国で講演する機会も増え 各地の現状や課題等目で見て肌で感じる貴重な体験をさせていただきました。その後も 日本医師会総合政策研究機構の客員研究員として 日本医師会介護保険委員会アドバイザーとして 日本医療マネジメント学会評議員として 日本医療連携研究会理事として また滋賀県や三重県の医療介護連携アドバイザーとして 全国各地を精力的にうかがい 特に2015年末に大学を早期退職してからのこの一年半弱は まさに“地域包括ケアの時代の語り部”として全国行脚の日々を過ごし さらに多くのことを学ぶことができました。

どこかの時点でこの成果をまとめてお伝えしたいと思っておりましたが この度ようやく「生活に戻すための医療」をキーワードに 日総研出版から発刊することになりました。これも 日総研の小笠原達哉氏の本書作成全般にわたるマネジメントのお陰であり心から感謝申し上げます。またこれまでご指導いただいてきた諸先輩や一緒に取り組んできた仲間・友人 地域医療の現場でご意見をいただいた医療福祉関係者 そして講演会に参加してエールを送っていただいた皆様 それぞれの方々のご支援の賜物と 心からお礼を申し上げる次第です。

少子高齢化を背景とした課題解決(手段)に終始しがちであり 現状を受け入れた 元気高齢者を育成支援するといったポジティブな地域づくり(目的)に向いていない現状が見受けられます。また保健・医療・福祉 多職種 医療・介護 それぞれにおける“連携”が重視される中 顔の見える関係や“連携”自体が目的化している。一方各地域では先駆的な取り組みが既に多々見られるものの 地域全体を見渡しマネジメントする人材や仕組みが乏しい中で 充実や広がりが妨げられています。現状を前向きに受け入れ 地域を創るマネジメント機能を充実させ 人材育成と合わせて 地域自身が主体的に取り組めるよう 全国普及可能な基盤整備(スタンダード)づくりが求められています。

医療・介護制度に依存するのではなく それらを活用して 自分らしく生きていくことを実現する・・・少子高齢社会を活き抜く上で 以下のようなことを踏まえ 最も大切なことを伝えたいとの思いから この度の発刊となりました。大学を辞職したのち 全国行脚する中で 再確認できたこと 新たに発見できたことなど 欲張って詰め込みました。

地域包括ケア時代は第4の公衆衛生革命のチャンスです。公衆衛生の本質・原点に返って ヘルスプロモーション理念・ソーシャルキャピタル醸成・ノーマライゼーションやリハビリテーションの真意 そしてリソース・マネジメントにより 少子高齢社会を活き抜く地域づくりへの責務があると思います。 住民力・地域力を引き出すために 公衆衛生があらゆる方面に関与していくことを期待しています。そのためにこの本が役に立つことを 切に祈っています。

 - その他