妄想とエンパワメント~滋賀県基本構想審議会(第2回)~

   

2月1日(木)10:00~ 滋賀県庁において、滋賀県基本構想審議会(第2回)(高橋啓子議長 聖泉大学教授)が開催されました。私は、滋賀県の医療福祉アドバイザーの関連をきっかけに、限られた県外者メンバーとして加えていただいたようです。前回は委員の初顔合わせと県からの概要説明でしたが、今回はいよいよ検討に入る会議となります。SDGs(継続可能な開発目標)の重視はお約束ではありそれに基づいた資料はありましたが、その他は1回会議からこの間、県庁職員が手分けして委員からの意見聴取を実施しており、それらを集約資料がつけられていました。期待通りというか、慣例のような県が用意した膨大な資料はなく、その他前例に拘らず一から作りましょうという意気込みが感じられました。
この会議の売りは、三日月知事のコメントです。前日皆既月食がありましたので、“月が隠れる”(三日月が隠れる?)にかけてジョークからスタートし、用意された資料とは関係なく、以下の基本構想策定への熱い思いを話されました。
① 県政にとって最も大切なもの 全てに共通する根拠となるもの。新しい豊かさとは 県民の7割が“健康 健やかさ”に豊かさを感じている。SDGsを基盤において この豊かさをみんなで創ろう。
② 今の基本構想は 知事の任期に合わせて4年スパン もっと長いスパンで考えたい。
③ 環境や経済がいくら変わろうと 大事なのは人自身 一人一人を重視した施策を重視したい。
その後、構想作成への意気込みや県への要望等、各委員から報告があり、流石!審議会メンバー、必ずしも肩書ではない、現場活動の強みを活かした説得力のあるご意見を多数うかがうことができました。
今回は 私がプレゼンする機会をいただき 会議の最後の10分程度をいただいて、以下の内容のお話をさせていただきました。意識的にアジテートするようなお話し方をしたんですが、高橋議長が、「皆さん、お聞きになられたように、この会議では何を言ってもかまわないんです」と締めくくられ、私の役割はそれなりに果たせたかなと思いました。残念ながら滋賀県民ではありませんが、滋賀県が日本一の健やかな地域になるよう 微力ながら努めたいと思います。次回は4月末とのことですが、今後がとても楽しみです。
【滋賀県基本構想委員会 H30.2.1(櫃本コメント)】

① 国際サミットでSDGs持続可能な開発目標が強調されたことを受けて
現状の着実な改善に拘らず ぶっ飛んだ目標をイメージして エンパワメントにより施策を展開し実現することあえて留意する。
② 少子高齢化に伴う 数々の目前の課題対応に振り回され どんな将来を目指すのか? 明るい未来が見えない。少子高齢社会を背景とした 未来のある社会構築に マインド・志を見せることが大切。
③ みんな手段で悩んでいる。課題解決が目的化。アウトカム指標が提示されるとそれが目的化する。
手段が悪いのではなく 目的があいまいなため 目的実現のために活用されていない。
あくまで 目指すべきイメージの明確化と共有が重要。その根底に 住民を代表とする地域資源のエンパワメントがある必要。
④ 日本人の国民性 誠実が裏目。各々ができることをコツコツと・・・では課題解決 いつまでたっても目的に近づかない。連携することすら目的化しかねない状況。連携とは・・・まさに三方よしのマインドで 全ての資源は 互いのエンパワメントを意識して 地域づくりに参画する時代。
⑤ 医療も介護も行政も 変わらなければならない。課題解決から目標達成型へ。してあげるからの脱却 住民を依存から解放しなければ 成り立たない。自助 共助(互助)を引き出すための公助。
⑥ 6年に一度の医療介護同時改定。国の方針はより明確になり その目指すべき姿は、全国共通であり、地方の自主性を妨げない。
診療報酬に対応するため…では課題解決型。 QOL・QOD 生活・リハビリテーションを重視した 今後の医療介護制度を推進するため…であれば目標達成型。
⑦ 課題解決型から目標達成型に変われば  してあげるからエンパワメントン変わる。
⑧ 健康とは? 従来の予防は 疾病対策に偏りすぎていた。0次予防を考えることで 地域の環境や住民・文化の醸成が重要であることが理解できる。ありがとうと言われる 社会的弱者ケア⇒社会的弱者をつくらない 元気高齢者が社会の担い手とする。
住まいの考え方 済むスペースの確保ではなく 自助共助が引き出せる環境こそが住まい。
どんな生き方 どんな地域にしたいか 妄想することがまず大切。イメージから人や地域は動く。目の前の課題対策に振り回されないために。
⑨ 0次予防の考え方の普及が 住民の健康文化醸成につながる。
住民がまちをつくる しかも元気高齢者が地域を創る。 住民自身がどんな地域にしたいか イメージを明確にして共有する。
⑩ 住民・患者を主役に置くと言うこと そして互いの信頼関係を築くということは ミッションが明確化され それが関係者で共有されており 共にその実現に向けて活動しているということである。
そして最終的な評価は 共助の関係から それぞれがエンパワメント(内なる力が賦活化)されており やらされ感覚や手段に振り回されていないことである。手段はすでにかなりそろっている。
それぞれの取り組みが ミッションに向けてのベクトル上にのっていることの確認が重要である。

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