大学教育は変わっていくだろうか~愛媛大学医学部特別講義

   

4月19日(月)は、愛媛大学医学部の疫学予防医学教室の三宅吉博教授から、4年生を対象とした特別講義にお招きいただきました。辞めた人間が出入りするのは、未練がましいような“拘り(ロマン)”もあって、本当に久しぶりです。「地域包括ケア時代と公衆衛生」というテーマで、約60分間、医療者として公衆衛生を理解し実践することの大切さを伝えるために、熱弁して参りました。私が学生時代(既に40年余り前ですが)とは随分異なり、出席率はほぼ100%で、居眠ったり早退する学生もほとんど見られません。講義するものにとっては、確かに快適な環境になりました。講義室満杯の100人余りの学生の中には、私の方を注視して、懸命にノートをとる者も少なからず見られ、講師にとっても、やらされ感覚はなくなり、モチベーション高く講義ができますね。

大学教育は今も昔も、先進的・専門的医療が最重視され、全人的と言われ続けている割に、疾病管理中心の内容です。微力であることは重々承知ですが、一矢を放つ意気込みで、今回も臨みました。特に医療は生活資源であり、疾病管理ではなく、その人らしい生き方を支援することが役割であること、社会的弱者ケアから、社会的弱者を産み出さない、むしろ社会で貢献できるような人たちを育成支援することの大切さなどを伝えました。地域包括ケア時代の地域づくりは、まさにヘルスプロモーション理念の実践であり、これらへの正しい理解をもって、今後活躍してくれることを祈念して、できるだけインパクトのある講義をしたつもりです。その甲斐あってか、講義終了後には、質問や感想を伝えるために、学生たちが列を作ってくれたのは、正直嬉しかったですね。将来彼らと仕事ができることを期待して、まだまだ現役第一線でやっていこうと、改めて思った次第です。

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