地域住民自身が住民の意識改革に取組むために~近江八幡市“0次予防センター”研修会~
7月13日10:00~、本年度近江八幡市に設立された0次予防センターにおいて、地域住民の代表として自主的に、行政と共に活躍したいと希望される有志(20名余り)にお集まりいただき、0次予防について学習する会が開催されました。昨年度から、近江八幡市のアドバイザーとして関わらせていただいており、講師としてうかがいました。これまでブログでも紹介して参りましたが、近江八幡市は“商助”の取組みやこの0次予防など、全国に発信するユニークな活動をされています。さすが近江商人発祥のまち、“三方良し”のマインドから地域づくりが積極的に進められ、アドバイザーにしていただきながら、新たなチャレンジに、私自身勉強させていただいております。仕掛人は津田氏で、発想力・行動力そしてマネジメント力等を備えた、パブリックヘルスマインドがぶれない、まさにカリスマ保健師です。私にとっても、健康日本21が全国で策定推進された折、共に全国行脚した仲間です。講演テーマは「0次予防が目指す生涯活躍社会」で、地域包括ケア時代を迎え、少子高齢化を問題にするのではなく背景として受け止め、明るい将来をイメージすること。そしてこの時代を切り抜けるには、“参加”と“活用”が重要であり、『してあげる人としてもらう人に区分せず、互いが支え合い、社会的弱者を産み出さない地域づくり』が必要であること。そのためには、『住民の意識改革・地域文化醸成が不可欠』であることなどを、できるだけわかりやすくお話させていただきました。わが国では、医療の進歩に伴い、住民の総合病院・専門医志向を、行政・マスコミあげて促進してきたこれまでがあります。予防の分野においてさえも、1次予防(生活習慣病対策)2次予防(早期発見・早期治療)3次予防(悪化・再発予防)といった具合に、疾病管理ばかりが強調されてきました。健康の定義自体が疾病管理と直結しているようでは、今後高齢者社会の社会保障制度が行き詰まるのは当たり前、不健康者が増加し続けることは言うまでもありません。あえて0次予防を強調することで、疾病管理重視から生活支援重視へ誘導して、社会的弱者ケアのための体制づくりから、むしろ社会的弱者を産み出さないための地域づくりへ転換させていくことが大切だと思います。0次予防センターが、近江八幡市はもとより全国に発信して、“元気高齢者が地域を創る”といった、これからの我が国が目指すべき将来(イメージ)の実現に向けて、牽引してくれることを心から期待しています。
午後からは、近江八幡市の医療連携の推進について、市の関係者と懇談会を持ちました。市行政と地域医師会が協働して、地域の中核病院と共に、地域の医療及びケア体制を、多機関・多職種参画のもと、まさに多職種連携プラットホームを構築して、地域が主体的に推進していくために、具体的にプランを立てて進めていくことになりました。
滋賀県は県行政として、地域包括ケア時代の地域づくりを全国に先駆けて推進されていると私は理解し、そしてともに取組んでいますが、近江八幡市のように、滋賀県内の各市町村において、それぞれ自主的な活動も広がっています。滋賀県のアドバイザーとして3年目、関わった成果を多少感じることができるようになりました。これからがますます楽しみです。