生活を支える“かかりつけネットワーク”に身を置こう!!~NPO法人愛媛がんサポートおれんじの会例会~

   

2018年9月9日(日)13:30〜15:00 、地元松山市内で、NPO法人愛媛がんサポートおれんじの会(松本陽子代表)の交流会・講演会(第125回例会・勉強会)が開催され、講師としてお招きいただきました。おれんじの会は2008年4月、私が大学病院に在籍していた時に、主に愛媛県内のがん患者と家族、その関係者が集う会として、誕生しました。私が愛媛県庁時代(健康増進課長)に、松本さんはNHKの看板アナウンサーとして活躍されていたころからの知人です。また当会の世話役の代表格である野村和彦氏は、愛媛大学病院医療ボランティアの副会長として、15年来お付き合いさせていただいています。当会は、「あなたはひとりではありません。ここには不安、悲しみ、苦しみを分かち合える仲間がいます。一緒に歩いていきましょう。」をキャッチフレーズに、「語り合いの会」や、がん医療の「勉強会」など例会を定期的に開催され、がん患者や家族など、当事者の声を全国に発信されています。

今回のテーマは、「がん患者・家族の『大事な備え』を考えよう」ということで、災害時への備えも含め、がん患者家族が自分の身を守るために備えておきたいこと、例えば、①自分の治療を理解しておくこと、②医療への向き合い方を整理しておくこと、③地域の資源を知っておくことなど、についてです。松本代表から、直接ご指名をいただき、うかがうことになりました。地震や台風、また豪雨といった自然災害が、全国(全世界)で猛威を振るっており、どこにも安全な場所はないことを、思い知らされる今日ですが、がん患者が災害弱者にならないためにも、心構えや普段からの対応は確かに重要です。ハウツーの話は、あまり得意ではありませんが、地域包括ケアやヘルスプロモーションの考え方から、私なりのお話ができればと、お受けした次第です。人口減少や高齢化が急速に進む、少子高齢社会を活き抜くためには、「参加」と「活用」がキーワードとなり、社会的弱者ケア重視から、社会的弱者を産み出さないエンパワメントへ、大きな変革が求められています。自助・共助(互助)の重要性や、医療・介護・行政等への過剰依存は自分らしく生きていけない要因であること、そして病気や障害があるからこそ鋭いアンテナを持っているメリットを活かして、個々のケアから地域づくりへ参画していく役割など、スライド無しのぶっつけ本番で、約60分お話しさせていただきまいた。特に緩和ケアや認知症分野で強調されているACP(アドバンスド・ケア・プラニング)を広く活用して、日頃から地域の“かかりつけネットワーク”に身を置きながら、自分らしい生き方をイメージして意欲をもって生き抜くことの大切さを伝えました。

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