住民の意識変容が地域包括ケア時代の地域を創る原動力に~松阪市市民講演会(飯南・飯高地域)~
9月21日(金)は、三重県のアドバイザーデーです。今回は松阪市がターゲットで、前日から現地入りしておりました。松阪市産業振興センターにて、朝9時30分から松阪市健康福祉部の小山誠氏をはじめ、市内の急性期病院の関係者も参加され、12月に開催予定の多機関多職種研修会の打合せを行い、さらに来月訪問予定の尾鷲市との打ち合わせを行いました。尾鷲市は今年度開始となりますが、松阪市は既に昨年から入っており、三重県の重点モデルとして、医師会と行政の連携のもと、地域包括ケア時代のまちづくりが進められています。松阪市の仕掛人は医師会長の志田幸雄先生と市の地域包括支援担当官の西山充代氏です。行政と医師会がしっかりタッグを組んでいます。
松阪市と言っても都市部から郡部まで様々な地域があり、これまでは街部中心でしたが、今回は車で西30分程度、郡部(過疎地域)にあたる飯南地域(飯南産業文化センター)で、午後1時半から約2時間、主に飯南・飯高の住民を対象とした講演会です。あいにくの雨でしたが、100名をはるかに上回る会場一杯の参加者でした。
地域から話題提供を30分、その後私の講演1時間と、それらを踏まえて交流の場を持ちました。地域の話題提供として、まず一つ目は、地域包括支援センターから、地域の見守りネットワークについて・・・独居や高齢二人暮らしの方々のふだんの暮らしの見守りができるようにと、介護の専門職だけでなく、郵便局、交番、宅配業者、地域のお店などのネットワークが稼働している状況。二つ目は、介護予防を地域に伝えるボランティア住民代表から、元気高齢者づくりについて・・・介護予防の場づくりを楽しく運営・継続していくため、講習を積んだ住民がボランティア「さざんか」が運動・体操・頭の体操など、いろいろな集いの場へ担い手として出かけ、元気のおすそ分けを続けて入り状況。などが報告されました。これを受けて、私の方から、過疎地域における今後の医療・保険・介護について、また住民による地域づくりや元気高齢者づくりへの応援メッセージなど、伝えて参りました。直接住民の皆さんを前にしてお話しすると、彼らから跳ね返ってくる反応を肌で感じることができます。これまでの高齢化問題にどう対処するかを課題としてきた施策が足を引っ張るように思います。今の方々がどう高齢化していくかが重要であることを再認識させてくれます。街部に比べ過疎地域で暮らすということは、ある意味ここで生きていく「覚悟」がひしひしと感じられます。行政と住民との付き合い方が大きく変わろうとしています。過疎地だからという、サービス体制の弱体への改善が先行しがちですが、むしろその力(住民力・地域力)を活かした支援が必要だと痛感させられました。松阪市でボランティアをされている山下一義氏(79歳)、民生委員協議会会長の上山純一氏など、すごい市民とも出会いました。
私をサポートしてくれているは、三重県庁の河合晶子氏(三重県長寿介護課地域包括ケア推進班・作業療法士)、三重県医師会事務局の上田圭祐氏の二人です。彼らのお陰でアドバイザー業務、ますます楽しく有意義なものとなっており感謝・感謝です!河合さんから嬉しいメールです。「昨日は素敵な講演をありがとうございました。私は行政に来る前、介護保険の訪問看護ステーションと精神科の認知症病棟で勤務していました。地域と比べ、医療にいる高齢者がどんどん生活から切り離され元気をなくしていく姿を見て、医療とはいったい何だろうかと感じていました。昨日の先生のお話は、心が揺さぶられて、色んなことに挑戦するアイデアと元気が湧き出てきます!改革には笑顔と人の繋がりとユーモアが必須だと思っていますが、まさに先生はそれらを生み出す改革者ですね。先生に出会えて本当に嬉しく思っています。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。」