その人らしい死に方を実現するために~地域包括ケアを考える会(第五回愛媛県慢性期医療研究会)~

   

2019年1月19日13:30~、第五回愛媛県慢性期医療研究会が松山市医師会大ホールで開催されました。この研究会の顧問を仰せつかり、立ち上げから関わっています。年末年始はしっかり休みをいただいて、講演会や研究会等もないまま、今日までのんびりとした日々を送っていましたが、いよいよ今日からスタートです。私のブログをフォローしていただいている方にとっては、「どうしたんだろう?」と思わせるぐらい長い間書き込みをしていませんでしたので・・・。これを契機に、まだ冬眠中の心身を奮い起こして、今年もしっかり、このブログを通じて、発信して参りたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。

まず、私の親友であり当研究会の会長である西尾俊治氏(南高井病院長)から、今回の企画の意図や今後の研究会の役割の大きさについて熱く語られました。愛媛大学医学部で泌尿器分野の指導者として活躍されてきた西尾先生ですが、長寿医療センターの大島総長のごとく、今や慢性期医療分野のリーダーとして転身を図られたことに、心からエールを送ります。共催にはテルモ株式会社になっていただき、第一部は「超高濃度栄養食〈アップリード〉」を切り口に、地元から石丸裕美氏(南松山病院 栄養管理室)、ゲストとして県外から宮島功氏(近森病院 臨床栄養部科長)の2人の管理栄養士から講演がありました。特に近森病院は急性期病院における栄養士の役割を全国に発信されています。栄養士が病棟担当として、日常的に多職種連携に関わることによって、NSTを超えた、その人らしい生活を実現するためのチームを運営することができている状況を、確認することができました。

第二部は、長尾和宏氏(医療法人社団裕和会 長尾クリニック院長)から、「在宅医療における高齢者救急の役割について」をテーマに特別講演をいただきました。長尾先生は尊厳死協会の副理事長をはじめ、多くの要職に就かれる一方、執筆活動に取組まれ多くの本を出されており、マスコミへの露出度も高い、超多忙の在宅医療の実践家です。わざわざ松山までおいでいただき感謝感謝でした。講演時間は2時間を超える盛りだくさんの内容でしたが、あっという間でした。在宅医療の目指すべき方向(その人らいい生き方・死に方の実現)を明らかにされながら、尊厳死と安楽死の違いや、医療の法律関連の解釈の過ち、またリビングウィルやACP(アドバンス・ケア・プラニング)などについて、映像やキーワードを交えながら、分かりやすくしかも熱意が伝わる、素晴らしい講演でした。

最後に、当会の立役者である木戸保秀氏(松山リハビリテーション病院理事長)から、当研究会が地域包括ケアを活き抜くためのけん引役を果たすことを誓い閉会となりました。会場は熱心な受講者のほぼ満席状態で、当会が地域に根づいてきていることが実感できました。

その後、長尾先生を囲んでの懇親会、同志との議論の楽しさを味わいながら、講演の時とはまた違った“ヒューマン”として愛すべき長尾先生のお人柄も知ることができ、今年のスタートを遅ればせではありますが、心地よくスタートすることができました。

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