基本構想は何をするかではなく目指す方向を共有するために〜第6回滋賀県基本構想審議会〜

   

8月7日(水)13:00〜、滋賀県庁において、第4期滋賀県基本構想審議会(第6回)が開催され、委員として参加しました。はじめに県事務局から、滋賀県の基本構想の進行管理について、平成 30 年度における基本構想の総括の概要、重点政策の進捗状況(<重点施策> ①子どもの生きる力を育み、若者や女性が輝く社会の実現 ②すべての人に居場所と出番があり、最期まで充実した人生を送れる社会の実現 ③滋賀の強みを活かし、新たな強みを生み出す滋賀発の産業の創造 ④琵琶湖をはじめとするめぐみ豊かな環境といのちへの共感を育む社会の実現 ⑤豊かに実る美しい地域づくりと滋賀・びわ湖ブランドの発信 ⑥「文化とスポーツの力」を活かした元気な滋賀の創造 ⑦人やものが行き交う活力ある県土づくりと安全・安心社会の実現の7項目)などについて説明がありました。それを受けて審議会は、前滋賀県基本構想の総括および今後の県の施策のあり方についてのディスカッションをしその後、グループに分かれての意見交換を行いました。
私の感想ですが、案の定、予算や行政の強制力で、実現可能なものに関しては進んでいますし、地域が自ら受け入れて推進しているものは既に目標値を上回っています。一方、住民のセルフケアや地域力のエンパワーに委ねられた項目については、目標に近づくどころか、停滞もしくは後退といった状況です。住民の主体性へのエンパワーがないと進まないことを痛感する結果です。委員からは、住民のエンパワー推進やその成果に関する評価指標の必要性を、指摘する意見も少なくありませんでした。審議会委員として県外者の私を指名していただいことには、光栄であり感謝しております。滋賀県のためならと、自分の暮らしている故郷のように思っています。しかしこれまで、委員というよりはアドバイザーやまとめる側の立場が多く、委員として参加した場合は、空気が読めないわけではないのですが、ついアジテートしてしまって、浮いてしまう傾向がありました。今回もその感覚を実感しながら参加しているのが本音です。審議会ではありますが、ディスカッションの方向は課題に関する発言や、どうしたらいいかの提案が多くなり、目指すべき方向が共有されないまま、話し合いが進行されることに、違和感というか参加へのモチベーションが下がってしまいます。それに関するアピールを何度かするのですが・・・通じているとは思えない状況でした。

しかし、三日月知事の発言には、癒され元気付けられ、参加した甲斐があったと思わせていただきます。今回は他の用務で、終わり30分程度のご出席でしたが、地域の歴史や人を知ることの大切さを強調され、また一例として、出生率を目標値に設定するように国が言ってきたことに、反対表明をされたことなど、最後にご挨拶されました。数値データーに振り回されることなく、歴史を重んじ、人の生活を実際に見ることで地域を把握し、政治に反映させる姿勢に共感します。知事には、「出生率など国が指示する数値目標を、滋賀では全て評価指標に置き換え、数値の実現に振り回されない、地域や施策の評価に活用されたらと思います」と申し上げました。三日月知事の今後のリーダーシップに滋賀県はかかっているなと確信し、心から期待することころです。

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