恐るべし「新潟市地域包括システム」~第3回日本医療連携研究会~
2016/07/04
7月2日 午後から 第13回国立大学医療連携・退院支援関連部門連絡協議会に引き続いて 第3回日本医療連携研究会が 国立大学関係者160名に他大学や地元関係者140名の参加のもと開催されました。長崎・浜松に続いて3回目ですが 鈴木先生や地元の関係者の企画によって シンポジュームや一般演題等 半日ですがとても充実した内容でした。
特に今後恒例となるだろう「ご当地活動!シンポ」ということで 新潟市の地域包括ケアのシンポジュームが行われ その座長を務めさせていただきましたが 正直驚き感動しました。シンポジストは斎川克之氏(済生会新潟第二病院)高橋直美氏(訪問看護STゆうばえ)阿部行宏氏(山の下地域包括ケアネットワーク代表 在宅医)清水智子氏(新潟市保健衛生部地域医療推進課)といった まさに新潟の地域包括ケア推進のトップリーダー勢揃い。大津市の活動の素晴らしさを先日ご紹介いたしましたが 仕組みは多少異なるものの コアは共通しており 新潟市の取り組みも全国の先駆的モデルであることは間違いありません。日本国中にはこのような先駆的事例がすでに少なからずあると言うことを思い知らされると同時に 大変勇気づけられました。
大津市は保健師がキーでしたが 新潟市もやはり保健師のマネジメント力でした。さらに 在宅医療を熟知した医師とMSWがその保健師と志を共有して ブレインの役割を果たしていました。そして市行政と市医師会の連携が基盤となり 多職種連携のプラットホームが原動力となっています。このプラットホームは「○○地区地域包括ケアネットワーク」として各区全市にわたってそれぞれ複数配置され 主に開業医師が自発的に代表となり 自主的に運営されています。その事務局および話し合いの場「ステーション」を地域の病院(地域連携室)に置き このネットワークをマネジメントしています。ステーションはネットワーク代表者からの推薦を受け新潟市在宅医療・介護連携推進協議会で決定し 市から直接病院へ業務委託しています。ネットワーク会が多職種連携のプラットホームとして 顔の見える関係を築き 「住民を生活に戻すため」という志を共有して 多職種の互いの協働体制の充実や住民への教育活動 さらには政策への提言など 行政とのパラレルな関係を持ちながら 形式に拘ることなく自由度高く活動しています。各ネットワークの幹事らの集まりも定期的に開催され 市全体のレベルアップや互いの支援なども行われています。今後新潟市の活動をさらに学び 全国に発信できる一役を担えたらとわくわくしています。
人材育成 住民教育 そして急性期病院の意識改革といった 生活を重視した地域包括ケアを実現するための各課題は この仕組みで着実に解決されると確信しています。この場(プラットホーム)が今後ケア会議として活用され さらに総合支援事業とリンクすることにより 要介護者の後追い対応に終始することなく 元気高齢者(ときどき医療・ときどき介護。ときどき就労 自分らしく生き地域に貢献する高齢者)の育成支援等 社会的弱者をむしろ地域の資源として支援する 地域包括ケアのゴールを目指して 発展していくことを期待しています。