多職種連携エンパワメント~鹿児島県薬剤師会からの発信~

   

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7月10日(日)鹿児島県薬剤師会主催 第5回多職種連携シンポジュームにお招きいただきました。上野会長や沼田常任理事他薬剤師会の皆様と 前日に打ち合わせをさせていただきましたが 生活を支援するための薬剤師の役割を重視され 薬剤師の限界を明確にすることで 多職種連携推進に力を入れておられるとのこと大変心強く感じました。

鹿児島県自治会館において 大雨・洪水警報が出されているにもかかわらず 約400名の医療福祉関係者が参加され 薬剤師会のアウトリーチの強力さを確認させていただきました。プログラムは 私の古くからの友人で 鹿児島県の公衆衛生行政を担い全国保健所長会長として全国のリーダーとしても活躍されている宇田英典先生(伊集院保健所長)が座長となって 前半は私の講演 引き続いて後半はシンポジュームという構成でした。IMG_6728

シンポジストには 県医師会から鉾之原大助先生(日本医師会介護保健委員会のメンバーであり鹿児島県医師会常任理事) 県看護協会からは原田ケイ子先生(専務理事) 歯科医師会からは銀屋一彦先生(口腔ケア委員会) 薬剤師会からは川畑信浩先生(とも調剤薬局) その他ケアマネ 訪問看護師 そして行政からと 県下のリーダーや先駆者によって 地域包括ケアシステムの構築を目指すための多職種連携の重要性を いかに共有し推進するかについて熱い議論が交わされました。引き続き午後からは 池田忠先生(垂水中央病院 在宅療養部長)による 県民向け公開講座が開催され 多職種連携による市民教育の実践の一端を見せていただきました。

私のテーマは「地域包括ケア時代~元気高齢者を生み出す多職種連携~」です。これからの日本を支える最大の資源は 移民ではなく 高齢者であるとの考えから 医療や介護は 高齢者を社会的弱者としてケアするといった方向ではなく 地域の担い手を支援するために つまり「ときどき医療 ときどき介護を受けながらでも 自分らしく生き 地域に貢献する高齢者・・・元気高齢者」を育成支援する役割を果たさなければならないと思います。これが私にとっての 地域包括ケアシステムの目的だといっても過言ではありません。保健・医療・福祉はもちろんのこと 地域のあらゆる資源が 元気高齢者の活躍の場を増やすなど その実現に向けたベクトルに乗っていることを意識して 日頃の活動を展開していく必要があります。住民の生き方そして死に方を重視した 生活に戻すための多職種連携は不可欠で有り そのための地域特性に応じた推進体制の構築が求められます。私の持論として 地域の自治体と地域医師会(三師会)の強力な連携がその基盤にどうしても必要で有り 生活を重視した医療がアイデンティティーである看護師(保健師)のリーダーシップの元 目標を共有した多職種が集まり実践するための「プラットホーム」が設置されることが肝要だと思っています。このプラットホームが 本領を発揮することで 最も難しい「住民の覚悟」の醸成や 治療重視の急性期病院の意識改革に影響を及ぼすことが可能となり 初めて地域包括ケアが実現されるものと確信しています。

今回のシンポジュームは 薬剤師会からの発信ですが 多職種が互いの力を引き出し合う「エンパワメント関係」が推進されるよう 各職能がどんどん“アウトリーチ”をかけていくことを心から期待しています。

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