介護士が高齢者の“意欲”をエンパワメント~介護士の心と体を強くするセミナー~
12月5日(火)松山市のコミュニティセンターにて、介護関連機関の管理者等を対象に、介護スタッフの育成確保や資質向上を狙いに、四国アビリティセンター(人材派遣)が愛媛県の委託を受けて開催されました。県の担当者も参加され、介護士の確保や継続した勤務の厳しい状況を話されていました。介護スタッフの確保がますます深刻化している中、いかに介護スタッフを確保して育成支援するか苦慮しており、現場の管理者の表情は真剣です。
2時間強のぶっ通しのセミナーにも気を抜くこともなく、メモを取りながら、聞いているというより懸命に考えている雰囲気が伝わってきました。
地域包括ケアシステムとは、“してあげる”から“エンパワメント(力を引き出す)”へ、180度切り替え、自助・共助(互助)による地域づくりを推進していくことです。介護者が、してあげることで、日々目の前の課題に振り回されることなく、入所者の自立促進や自分らしく生きるための支援を行うことの目的を忘れないように、そして社会的弱者のケアから元気高齢者の育成支援にむけた取り組みが肝要です。介護スタッフがその目的を日々確認でき、やりがいを刺激してくれる職場環境づくりついてお話ししました。やりたいことは上手くいく!! やらされる状況が続けば、モチベーションも能力も低下します。また蓄積したストレスは人を選ばず、疲弊感やうつ病を引き起こします。目的に返ることによって、やりたいこととして受け止め、職場においても地域と同様に、自助(セルフケア)やラインケア(互助・共助)を推進していくことの重要性を強調しました。一方ストレス耐性向上のアドバイスとして、「こうでなければならない」といった狭視眼的・完全主義的考え方を改め、全体を把握する意識と、ある程度は「まあいいか」の判断力も必要であることを、事例を挙げてお話ししました。
介護の分野に、自ら率先して、元気高齢者を増やすことを目的に、参入していただけるよう、地域包括ケア時代の介護の目的の浸透や、介護職の処遇改善は、最優先すべきだと思います。