ケースメソッド的検討はここで醸成された~和歌山看護協会ファーストレベル研修~

   

7月13日(土)9:30~16:30、和歌山看護協会ファーストレベル(平成31年度認定看護管理者教育)にため、和歌山海南市の看護協会研修センターに講義にうかがいました。毎年研修会終了直後に来年度の依頼が入るといったスタイルで、もう十数回目となりますか、これまで毎年恒例研修会として継続していますが、今年もこの暑い夏に和歌山にやってまいりました。

ファーストレベルということで、「看護専門職として必要な管理に関する基本的知識・技術・態度を習得する」を狙いにされており、①ヘルスケアシステムの構造と現状を理解できる ②組織的看護サービス提供上の諸問題を客観的に分析できる ③看護管理者の役割と活動を理解し、これからの看護管理者のあり方を考察できる…等々、基本とマインドを養うことが重視されています。私はこの中で、「ヘルスケアシステム論」を担当させていただき、①保健医療福祉制度の体系 ②地域包括ケアシステム ③地域共生社会をキーワードに、講義と演習(ケースメソッド)により、看護師の役割や持つべきマインド、そしてマネジメント力養成などに力点をおいて、関わらせていただいています。特にグループワークを取り入れ、ケースメソッド的検討により、「どうしたらいいか→何を目指すのか」という、目的達成型の話し合いのファシリテート技術を、受講生の皆さんとともに、この地で開発してきたことが大きな成果となっています。研修期間は当初は2日半のカリキュラムでしたが、1日半となり、今回は1日と・・・短縮されているが気にはなりますが、コアの部分は途切れることなく、和歌山の看護師さんに送り続けられていること、ありがたく思っています。

今回の参加者は、聴講生を含めると54名で、男性の参加も10名余り、経験年数は様々ですが、概ね10年以上の方が占めます。午前中は講義中心ですが、受け身で聞かされている?!状況は見られず、うなずきながら前傾姿勢で熱い視線を終始送っていただき、メモを取ったりしながら、休憩なしの150分に付き合っていただきました。午後は、昨年の受講生のレポート(一人ケースメソッド)からピックアップした5事例を使って、グループワーク「ケースメソッド的検討」を200分行いました。慣れていないディスカッションにお疲れにはなったでしょうが、目の前の課題に振り回されがちな日常業務から脱却し、目的に返って、医療者、看護師のアイデンティティーを活かして、やりたいことを進めていく楽しさを、実感していただいたと思います。患者・家族やチーム、そして地域をエンパワメントできるマネジメント力を今後ますます養っていただくことを心から期待しています。

 

 

 

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