外科医が地域包括ケアの真意を考え実践する〜北摂胸部外科研究会〜

   

7月6日(土)15時30分より、リーガロイヤルホテル大阪 サファイアルーム(タワーウィング28階)において、大阪医科大学胸部外科教室の同門会による「北摂胸部外科研究会」が開催され、特別講演の講師としてお招きいただきました。昨年の同会にもお声かけがあったのですが、日程の調整ができず、今回はリベンジということで、福岡での日本医療連携研究会を早退してうかがいました。
講演の前に、一般演題が報告されていましたが、内容を見て、私が招かれた訳が理解できました。当初胸部外科医の集まりということで、“生活よりも手術”というイメージがありますので、正直「少々厄介だな」(失礼)と思っていましたが、見取りや慢性疾患のケアに関する内容が多く、生活支援への関心度の高さを知りました。外科医はベテランになると、手術の限界の認識から、生活重視へと視点が移行するとのことでした。私に頂いた時間は約50分でしたので、パワーポイントを使用せず、独演会方式で行いました。会場から熱い視線と共感のアピールをいただき、長旅の疲れも吹っ飛んで、楽しくお話しすることができました。座長の勝間田敬弘氏(当研究会長:大阪医科大学胸部外科学教授)から、「大学病院と言えども診療報酬に振り回され、副委員長として経営を担当していることから、日々患者のための医療なのか、医療経営のためなのか葛藤している」との本音トークがあり、今後の医療にあり方について、語って欲しいとのご紹介がありました。失礼を承知で、医療の180度の大転換の必要性について、歯に絹着せず、アジテーションさせていただきました。
座長の巧みな進行により、講演後の質問やご意見などたくさんいただきました。また、講演後のの懇親会でも、極めて有意義なディスカッションができて、私自身エンパワーされました。特に、「社会的弱者ケア重視から社会的弱者を生み出さない医療へ」は、私のキーフレーズですが、前者の社会的弱者は疾患や障害あるいは貧困からのもので、後者は生活の視点から自分らしい生き方をしたいと思う意欲の欠如からのものであることを、改めて確認できました。

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