地域包括ケア時代の公立病院を牽引するために~香川県坂出市立病院院内研究発表会~

   

11月9日(土)14:00~、香川県坂出市立病院(岡田節雄院長)において、院内研究発表会が開催され、特別講演の講師としてお招きいただきました。毎年当院では、病院職員はもとより、周辺の医療施設の方々、医療実習に来ている看護学生さんを対象に当発表会を開催されているとのことです。当院は、H3年に自治省から廃止勧告が出て、日本一の赤字病院のレッテルを貼られた経緯があります。しかしそこから前々院長の塩谷泰一氏のリーダーシップのもとに大改革が行われ、2009年自治体病院表彰、2010年総務大臣表彰を受賞されるまでのV字回復をとげられています。2014年には新築移転を果たし、地域の中核病院として、公立病院のモデルとして活躍されています。当院の師長さんやMSWの方が私の講演を聞いていただいて、今回の企画に至ったとのことでした。田岡輝久氏(内科副院長)からも、「公立病院として地域医療に果たす役割の中で、入退院支援の重要さと今後の方向性について」話して欲しいとのご依頼がありましたので、責任重大です。ありきたりの話にならないよう、あえてパワポなしで、「2040年への医療大転換~診療報酬に振り回されない王道の医療経営~」というテーマで、約60分の口演を行いました。岡田院長と橋本看護部長が並んで真ん前にお座りいただき、最期まで首を振りながら共感の意を送り続けていただきました。

坂出市は、私の曾祖父の出身地である櫃石島のあるところです。綾市長さんからのご依頼で、今年度から「健幸アドバイザー」をさせていただいています。行政関係等のお知り合いができて、私にとってとても親近感のあるまちです。院内研修会ではありますが、何人か駆けつけてくれました。

田岡副院長から講演後以下のコメントをいただきました。「このままでは日本の医療は立ち行かなくなる事は明らかであり、今後の医療のあり方について先生から明確な指針を示して頂けたと存じております。国民が今までの医療のあり方に慣らされており、危機感を持てない事が一番の問題でありますし、病院も厚生労働省の打ち出す診療報酬改定や地域医療政策に振り回されているのが、現状ではないかと思います。前途多難ではありますが、坂出市立病院も地域の中核病院として、暮らしを支えるために、行政や医師会などとタイアップして今後の方向性を考えていかなければなりません。今後ともご指導ご鞭撻の程、心よりお願い申し上げます。」

医療が、「暮らしを支える資源」として大転換を図る「地域包括ケア時代」ですので、坂出市立病院への期待は膨らみます。公立病院のモデルとして、全国に発信していただけると、心から期待しております。

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