COVIT-19禍を通じて地域包括ケア時代を考える~宿毛市医療・介護・福祉連携推進研修会~
2020/07/13
7月11日(土)13:30~、宿毛市総合社会福祉センター大ホールにおいて、私にとって恒例となった「宿毛研修会」が開催されました。
なんと今年の2月初旬にあった長崎以来の5か月ぶり・・・受講者を直接前にした講演です。当研修会は、宿毛市社会福祉協議会の主催で、2018年の7月から年2回のペースで毎年行っています。今年はさすが無理かと思っていましたが、主催者の熱意のお陰で、COVIT-19禍を乗り越えて開催されました。
久々の講演を聞く機会ということもあり、当初50人定員でしたが、市内の医療・介護・福祉事業等従事者、行政機関職員等70名余りが参加していただきました。定員を超えたために、“ソーシャルディスタンス”を配慮して、数百人収容可能のホールに変更して行われました。これまでであれば、空席だらけの会場を見てモチベーションは下がっていたでしょうが、受講者を実際に前にして講演できたことの喜びが大きく、観客制限試合が始まったプロ野球選手の気持ちがよくわかりました。
「COVIT-19のせい」でではなく、「COVIT-19のお陰で」といつか言えるように、この数か月、公衆衛生の原点に返ってCOVIT-19の学習もしてきました。COVIT-19禍への取組みを通して、地域包括ケアシステムや働き方改革に照らし合わせて考えると、その関連性の大きさに気づくことができて、パワーアップできたのではないかと、自分なりに満足しています。
今、コロナと闘う時期から脱却し “WITH CORONA”を目指しながらも、第二波の到来におびえた “UNDER CORONA”の状況にあります。COVIT-19へのこれまでの対策を振り返ると、課題解決型に終始し、住民に“してあげ型”とはいうものの、脅し恐れさせることで注意喚起し、従わせるやり方で、健診や医療において、住民や患者に行動変容を押し付ける、「自粛を促すスタイル」とよく似ています。まじめな日本人には、一時的な効果はあるものの、結局はリバウンドがおこってしまう状況が、COVIT-19においても懸念されます。
それを踏まえて、まずCOVIT-19についてわかっていること・いないこと明らかにして、その後豪雨や地震・津波などの他の自然災害、さらに我が国の急速な少子高齢化の勢いへの付き合い方は、COVIT-19と同様であることを解説しました。そして結局は、セルフケアや地域力の向上を図ることが、共通して重要であり、目指すはエンパワメントであることを共有しました。
講演後はいつものようにケースメソッド的検討ですが、これまでは、地域包括ケアに関する“お悩みを事例”を用意して、グループディスカッションによるケースメソッド的検討してきましたが、今回はソーシャルディスタンスを意識して、それぞれの席についたまま、さらにCOVIT-19関連を事例とした一人ケースメソッドによる自己研修を導入しました。愛媛新聞に毎日掲載されている「地軸」から、事例を引き抜きました。私自身が1年以上前から「地軸」を話題に、休刊日以外は毎日一人ケースメソッドによってトレーニングしていますので、これだと思いついた次第です。久々の講演会でもあり初めての試みでしたので、結果が気になるところですが、概ね受講者からも上々の評価をいただき安堵しました。しばらくはこのやり方で行くぞ!!と勇気づけられました。
宿毛の皆さん ありがとうございました!!