第13回医療マネジメント学会愛媛支部学術集会総会
2023年度第13回日本医療マネジメント学会愛媛県支部学術総会が、松野剛総会長(済生会今治病院長)のもと、今治済生会病院の主催で、9月30日(土曜日)、テクスポート今治で開催されました。私は当支部の創設から今日まで、支部長をさせていただいています。20年度は開催を見送り、21年度はZOOM開催、そして22年度はハイブリッド開催となり、そして今回は完全対面開催、県下全域から朝早い大勢の参加があり、 “やっと戻った”という気持ちで感無量ですね。
一般演題は27題あり、コロナ禍からアフタコロナへの移行についてのマネジメント、院内の多職種連携の充実強化、そして地域連携への広がり等連携推進、褥瘡やせん妄などへの対処よりも予防できることへの意識化(ポジティブフィードバック)、その他それぞれの部門での評価に基づいた「改善」への積極的なアプローチなど、話題は多岐にわたっています。演者の熱弁と座長の巧みな運営で、フロアからの質問は活発に行われ、睡魔はやってきませんでした。
今学術集会のテーマは「医療DX‐今後の医療と働き方を考える‐」です。特別講演には、中尾浩一先生(済生会熊本病院院長)をお招きし、「医療DXがもたらすパラダイムシフト~「価値中心の医療」を探る~」という演題でお話をいただきました。
コロナ禍がもたらした変化を代表するのがDX分野であり、まさに時を得たテーマです。デジタル技術を社会に浸透させて、人々の生活をより良い状況へ導くツールとして「デジタルトランスフォーメーションDX」は進化しています。データの共有化・集約化によって現場の状況を可視化し、効率化やエビデンス化が身近で急速に進んでいます。これまでの既成概念は見直され、いわゆるパラダイムシフトが加速化しています。我々自身がこの変化を受けとめ、正しく適切に活用していく意識と行動が求められています。 また一方で、データの運用が一般生活において、パーソナライズ化に向けてますます進行し、個々人に適合した情報がセルフケア支援に活かされていくと確信しています。行政や医療・介護分野のDXの立ち遅れは明らかですが、近い将来大きな波がやってくることは間違いありません。患者のセルフケア向上へのサポート役を果す重要性を、医療者側・患者側共に理解を深めなければなりません。自分らしい生き方を実現するために適切な情報が提供され、セルフケアを支援していく方向へと進化していく将来を、私としてはワクワクしながらイメージしています。
少子高齢社会を背景とした、地域包括ケアシステムも働き方改革(健康経営)も、目指している方向は同じであり、端的に示すと「個々人のパフォーマンスの向上」と言ってもよいと思います。すでに多くの企業で着手されていますが、行政はもちろんのこと、医療や介護関係機関においても、「パフォーマンスの向上」を狙いに、チャレンジ・チェンジが必要です。住民・患者が“してもらう主役”ではなく、“参加する主役”として、セルフケア力の向上や地域づくり活動等が全国に普及するよう、DXツールを活かすなど、我々のマネジメント力が発揮されますことを心から期待しています。
岩村正裕様 12回の学術集会の最優秀賞受賞おめでとうございます!!
来年度14回目の学術集会は 高石義浩総会長のもと、北条病院主催で開催されます。今回の一般演題のアピールは、すでに盛会を確信させてくれる勢いやハートを感じました。楽しみです!!
長い3年間でしたが、ようやくCOVID-19(コロナ)の呪縛から徐々にではありますが解放されつつあります。この間医療マネジメント分野においても、苦難の経験から多くの学びがありました。一見に元に戻っているようですが、“360度のループ回転”を経て、全く別のレベルに至っており、もうコロナ禍前の状態に戻れないことを痛感しています。コロナがもたらした10年以上とも言われる時代を速めた“チャンス”を、いかに今後の医療マネジメント活かしていくかが問われます。
本年度役員会で支部長の再任をいただきました。
コロナと共に去ることも考えましたが(笑)・・・ ”まだまだこれから“のエールをいただいたと受け止めて、ワクワク感を大事に、当会の使命を果たすため、微力ながら努めて参りたいと思います。