愛媛大学病院TMSC10周年を記念して

   

 11月18日(土)、第24回愛媛地域連携ネットワーク研究会が、愛媛大学医学部創立40周年記念講堂において、ハイブリッドスタイル(対面とWEBの両方)で開催されました。

 今回は、総合診療サポートセンター(TMSC)10周年の記念大会でもあったので、「連携」という視点に立ち戻ることを踏まえて、「今、改めて考える その人らしい生き方を実現する支援 ~その人らしさを支える多様な支援とは~」をテーマが設定されました。

 TMSCの立ち上げに関わり、初代センター長を務めさせていたことから、10周年の祝辞?・挨拶をするようにと、現センター長の日浅陽一教授から要請がありましたので、直接会場にうかがい参加させていただきました。当初、あれもこれもといろいろ考えましたが、5分間という時間の縛り(1時間話すのは得意ですが短いのが苦手)がありましたので、「医療は生活資源であり、生活に戻せない医療は無駄だ」と連呼して、Well Beingを目指した医療介護のこれからを、TMSCのリーダーシップに託す思いを伝えてきました。

 基調講演には、医師であり社会福祉士・介護支援専門員としても活躍されている西岡大輔先生(大阪医科薬科大学講師)が、『「社会的処方」から学ぶ地域連携のしくみづくり~目の前の人は、数々の障壁を乗り越えられた人~』を演題に、医療の立ち位置が、その人らしい生き方を実現する大切な契機にあることを重視して、多職種や地域と連携してサポートしていく使命について熱弁されました。

 続いてシンポジウムでは、「その人らしさを支える多様な支援とは」をテーマに、TMSCの日常の活動の中で、多職種連携に欠かせない方々から、佐々木将史氏(久万高原町地域包括支援センター:主任ケアマネジャー)、川久保亜紀氏(訪問看護ステーションベテル所長:訪問看護師)、さらに木原道雄氏(木原道雄司法書士事務所)をお招きし、そして西岡先生にも加わっていただき、独居や身寄りのない方々、特に生きづらさを抱えた人への支援の例を挙げながら、約90分のディスカッションが行われました。住民との信頼関係を醸成することや、多職種間の目的共有や互いの理解のもとでのエンパワメント関係の構築、行政と専門家との協働等々、その人らしい生き方を支援する上で欠かせない環境づくり、そして我々自身がやらされ感覚を持つことなく、熱い思いを持ち続けることの重要性が繰り返し強調されていました。

 広岡TMSC副センター長によるセンターのシステム改善やヒメネットの活動報告等などもあり、TMSCも10年を経過し、次のステージに向けての新たな展開の躍動が伝わってきて、大変心強く感じられたことも嬉しかったです。

 TMSCの15?20?周年にも、お声をかけていただくよう、私もまだまだ現役で頑張りたいと、改めて思った次第です。

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