令和5年度 結核指導者養成研修修了者:全国会議

   

2023年12月16日 (土)に、清瀬市の結核研究所において、結核指導者を集めた全国会議が開催されました。結核の蔓延国からなかなか脱却できずに、「結核緊急事態宣言」を出さざるを得なかった15年前(平成21年)、指導者が100名を超えるころになって、この全国会議が行われるようになりました。私が養成研修を受けたのは平成14年、愛媛県庁を辞職して愛媛県総合保健協会(旧結核予防会)に身を置いていた時でした。全国から3~4名が参加し、15日間、結核研究所の講師陣はもとより、厚生省や医療機関等外部講師から、ほぼマンツーマンでご指導いただきました。

現在、指導者は全国で150名を超えていると思います。しかし既に現役を退いた方も少なくなく、今回は33名の参加となりました。会場を見渡すと、いつの間にか私以上の年齢の方は、森名誉院長他ほんの僅か?となっていますが、そろそろ引退かという弱気を奮い起こして、まだまだしつこく、結核とも関わっていくぞ!との思いで、参加してきました。

参)結核対策指導者養成研修

                   第1回 全国会議 記念写真

 全国各地の結核対策の核となる結核専門家を養成することを目的とした研修で,国の委託を受けて1992年から開催しています。対象者は結核対策および診療の分野で相当の経験を有し,将来地域の結核対策指導者としての活動が期待される医師であり,地方自治体および医療機関から推薦を受けて招聘しています。 研修期間は計15日間で,研修内容は,日本と世界の結核対策の動向,新しい検査方法,HIVと結核,多剤耐性結 核や非結核性抗酸菌症の治療,DOTS戦略等に関する講義及び討論です。また,先進的な取り組みをしている地域 ないしは施設の見学を行い,最後に結核対策の行動計画の作成発表を行います。

<プログラム>

結核研究所長:加藤誠也氏の挨拶から 午前中は以下のようなプログラムで結核NOWの座学でした。

・厚生労働省の結核対策の方向性  松浦祐史氏 (厚生労働省感染症対策課)

・入国前検診の概要と検診医療機関の査察結果について 大角晃弘氏(結核研究所)

・小児結核医療の今後 徳永修氏 (国立病院機構南京都病院)

・豊橋市の取り組み 平野 雅穏氏(豊橋市保健所)

 既に我が国もコロナ禍において低蔓延国(活動性結核患者の発生数10人以下/10万人)へ仲間入りし、外国生まれの若年感染者への対応が課題となってきていますが、それでも結核対策はエンドレス、絶滅までは気を抜くことなく取組んでいく必要性を改めて確認できました。

 午後からは、いよいよ指導者間でのディスカッションの場が設けられています。今回のテーマは「結核にかかる特定感染症予防指針の改訂に向けて」。テーマの幅が広過ぎて、とても限られた時間では、十分な議論は困難ですが、グループに分かれてのディスカッション。その後全体会議でそれぞれ報告され、さらにディスカッションと、実に有意義かつ楽しい時間となりました。発言は控えておこうと言い聞かせていたのですが、最後の最後になって・・・やっちまいました。

指導者としてより専門的な発言や要望をするよりも、住民や結核を良く知らない医療福祉関係者等に、“Well Being”を重視した結核とのかかわり方を発信することが最も大切ではないか」などとほざいてしまいました。これも会に参加して、気持ちが高揚したせいだと、どうかご了承ください。

久しぶりの東京!! 街はクリスマスムード一色 

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