所感!65歳を迎えるにあたって~昭和生まれが平成から令和へ~

   

新しい年度がスタートして10日あまり経過しました。フリーランス生活4年目で、定義上あるいは制度上の節目となる、65歳を迎える年度となります。誕生日は美智子皇后と同じ10月20日ですので、令和元年が私の高齢者元年となります。大学勤務を継続していれば、いよいよ最終年度、来年桜が咲くころは、待ったなしの退職を迫られることになっていたんですね。今年はその節目ですので、高校や大学の同期会が盛り上がること間違いなしです。

大学を早期退職した理由の一つが、定年退職が嫌だったということでした。「もう年だから辞めなさい」と、年齢のみを判断基準に言い渡される環境は避けたかったんです。自ら元気高齢者を目指している以上、65歳という若さで「終わり」を告げられたくなかったんですね。今も、非常勤の病院医師や講演活動以外に、嘱託産業医をいくつか受けて忙しい日々を送っていますが、まさか地元NECから、嘱託産業医つまり非常勤の身で定年退職を言い渡されるとは、驚きとショックを隠せませんでした。それまで、産業医として誇りをもって事業所にうかがっていましたが、一気に気持ちはトーンダウン。求められていたのは私の能力ではなく、産業医としての通常勤務であったことを思い知らされました。大企業では特にそうだと思うのですが、退職者の気持ちを本当に理解できる人は現役にはいませんから、ヒット映画「終わった人」ではないですが、まだまだ元気な制度上の高齢者に、これほどやる気を失せさす儀式はないですね。

大学を辞めてからほとんど休みの無い生活を送っている私にとって、最大の楽しみは、ハワイでの休暇です。青い海・青い空・まぶしい日差し・爽やかな風・水平線を真っ赤に染める夕日や朝日等々、想像するだけでソワソワ・ワクワクしてきて、大切な仕事を断っても?!(フリーランスの特権)、カレンダーに無理やりハワイ行きのスケジュールを突っ込む有様です。しかし実はハワイの魅力はそれだけではないのです。世界中から観光客が年中通して訪れ、多民族が互いに争うことなく、自分らしく自由に過ごしている国として類を見ないと思いますが、自然だけではなく、マインド(住民文化)の点からも、地域包括ケア時代を活き抜く日本の将来に、いろいろなヒントを与えてくれるのです。

例えば、ホノルルの観光バスのバスガイドさん、年齢を聞いてびっくり、オーバー70でした。特別有名な方ではありません。つまりハワイでは、高齢者のバスガイドは珍しくないと言うことです。日本では、年齢や資格が先行し、バスガイドという身体的負担も大きい業務には、まず高齢者の採用は難しいと思いますが、ここでは珍しくないんですね。このバスガイドさん曰く「ここアメリカでは、やる気があるかないか、できるかできないかを問われるが、年齢は聞かれないの・・・」とのこと。

高齢化が急激に進んでいる日本では、せいぜい定年延長レベルで、高齢者を新たに採用するといった取り組みははまだまだです。人手不足が深刻になっていても、高齢者を担い手として活躍を期待するマインドは、まだまだ養われていないように思います。まだまだこれからと思っている60歳代ですので、高齢者対策をいろいろ考える以前に、この退職という、「やる気を失せさせる」システムにメスを入れるべきだとつくづく感じています。

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