台風の影響を恐れていけなくて残念!!~第3回「滋賀県:人生100年ワクワク検討部会」~

   

10月11日(金)15:00~17:00、滋賀県庁北新館において、第3回の「人生100年ワクワク検討部会」【神部純一会長(滋賀大学社会連携研究センター教授)】が開催されました。委員として参加する予定でしたが、台風の影響で帰れなくなることを恐れて、欠席して申し訳ありませんでした。当部会は、滋賀県高齢化対策審議会の下部組織として今年の春にスタートしましたが、6月の第2回会議は欠席し、9月予定の3回目の会議が、調査が間に合わないということで延期となり今回の開催になりました。神部会長が「ワクワク人生はチャレンジし続けることで実現する」と言われたことに、まさに自分のポリシーに一致したお考えだと感銘を受け、この委員に選んでいただいたことを感謝しています。ワクワク人生を実践されている方々の高齢者自身へのインタビュー調査がこの間行われており、その中間報告がなされ、今回の検討会の議題として準備されていました。参加できなかったので、資料をいただいてコメントを出したいと思っています。どうかご容赦ください。

なお、参考までに第2回目会議に提出したコメントを記載しています。

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ワクワク人生を実践者へのインタビュー、大変興味深い調査です。ワクワクとは何かを明確にして、それぞれの健康の指標(何をもって健康と判断しているか)についても知りたいですね。ワクワクを実現する推進因子と、逆に阻害している因子があると思いますが、両者は表裏一体の場合も多いと思います。結局はセルフケア意識、自分らしい生き方をしたいと思う意欲の向上を、いかに図っていくかがポイントだと考えています。以下のような提案やそのための対応策も検討していけたらと思います。

1)ACPの拡大活用

今後セルフケアの推進を何より優先すべきであり、高齢者にとっては、疾病管理より意欲向上が何よりの原動力となる。そのためにも、自分の人生の道しるべとなる、人生プランが当たり前に立てられ、その実現に向けた支援が受けられる環境整備が不可欠となる。

ターミナル期を想定した、従来のLW(リビングウィル)やエンディングノートではなく、自分らしい生き方を自分自信はもちろん、周囲(家族や友人、医療や福祉関係者など)が理解し支援できる方向性として、ACPを全住民(少なくとも65歳以上の全県民)が活用する。人生会議(コミュニケーション重視の視点)と訳された、ACPに基盤においた、滋賀県オリジナルの「ワクワク人生実現ノート(仮称)」の作成と普及はいかがだろうか?

2)ワクワク阻害因子の明確化

日常的に、高齢者のワクワク感を、知らず知らずに潰している現状を見直す。良かれと思ってであっても、その行為が、ワクワク感をパワレスにしている現状がある。その背景には「してあげる」というサービス提供側の押し付けと、住民側の過剰依存によるセルフケア意識の低下がある。セルフケア意識や自分らしい生き方を実現したいという意欲を低下させている要因が、日常的な活動に潜在していないか、行政は勿論、医療や福祉関係者など高齢者に関わる機関が、真摯に振り返り、明らかにすることが重要である。

3)働き方改革との連動    企業への働きかけ(職員の意識醸成も含めて)

農業をはじめ自営業や技術職能など、定年がないもしくは定年後もこれまでの技術を活かせる人であれば、ワクワク感を継続しながら人生を全うするチャンスは、自分の意識次第で確保されているが、そうでない人にとって、定年は社会生活から切り離されてしまう、大きな機会(落とし穴)となってしまう可能性がある。元気高齢者のエネルギーが社会に活かされるためには、まだまだ活躍がこれからの定年者を、「終わった人」にしない取り組みを、地域社会全体で、真剣に考えなければならない時代となった。「働き方改革」が長時間労働の削減ではなく「仕事の質の向上」が本来の狙いであることからも、企業自身が、退職後の地域での人材活用に目を向け、社会貢献としても取り組むことを期待したいし、行政や地域から、働きかけることが望ましい。

4)さらに住民(職員)意識の醸成「自己責任」として

誰しも、いつまでも働かされたくないと思うのは当然です。それは働かされているからです。生きている限り、社会貢献することに喜びや使命を感じて、意欲や生きがいを持って、自らの意志で、仕事やプライベートに取り組むことができれば、こんな意見は出てこないでしょう!誰のために働いているのでしょうか。誰かのためではなく、自分自身を磨くためです。自らの人生を楽しむためです。自分の将来を妄想して、その実現が何よりの生きがいなんです。互いに支え合うことと、依存とはずいぶん異なります。過剰依存からの脱脚をどう図っていくか、住民文化の醸成には時間がかかると思いますが、要は、それぞれがやりたいこと、どう生きていきたいかを考え努力することだと思います。何をやるかではなく、何を目指すか。妄想し続けることが大切です。

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