地域包括ケア時代と働き方改革~職場のメンタルヘルスから考える「宿毛秋の陣」~

      2019/10/29

10月27日(日)13:00~17:00、宿毛市総合社会福祉センターにおいて、「宿毛秋の陣」と称して、社会福祉法人宿毛市社会福祉協議会等が主催で、令和元年度第2回医療・介護・福祉連携推進研修会が開催されました。日曜日にもかかわらず、医療・介護・福祉事業等従事者、行政機関職員等40名余りが参加されました。

夏の陣に続いて今年度2回目の宿毛会議となります。今年7月に、地域包括ケアシステムを推進するため、多機関・多職種の連携を図ることを目的としたケースメソッド的事例検討を用いた研修会「夏の陣」を開催しました。参加者へのアンケート結果から、同様の研修会で学びを深めたいという意向と同時に、メンタルヘルスに関する研修へも多数の希望があったとのことで、「職場におけるメンタルヘルスケアと地域包括ケア」をテーマにした講義と、「ケースメソッド的事例検討を用いた研修会」を2部構成で行いました。かねて私から、「職場におけるメンタルヘルスケアと地域における地域包括ケアは、一見全く別物のようですが、公衆衛生やマネジメントの観点からは共通したアプローチであり、社会資源や人材のエンパワメントが目指すべき方向であり、同時進行により互いに刺激し合いながら進めてきたいと考えています。」と申し上げていたことが、今回の企画のきっかけとなったようです。

昨今、医療・介護や行政分野において、幅広く地域包括ケアシステムが強調されておりますが、一方企業では、過労死や自殺問題そして人手不足を背景に「働き方改革」が、法主導で急速に推進されています。これまで聖域的な扱い?!を受けてきた医療・介護分野においても、平成30年の診療報酬改定の柱として、地域包括ケアシステムと並んで働き方改革の導入が明記されました。私は一貫して公衆衛生マインドの下、マネジメント力を微力ながら実践して参りました。その中でヘルスプロモーションの専門家として地域包括ケア時代の医療や地域づくりに取組む一方で、労働衛生コンサルタントとしての産業保健分野(特にメンタルヘルス関連)にも関わり、まさに二足のわらじを履いて活動してきた経緯があります。しかし今となっては、「生活の質・仕事の質」をいかに向上させるかといった、両者の共通性が明らかとなり、もはやあえて区分する必要のないことを実感しています。「働き方改革は長時間労働の是正ではない」を踏まえれば、これら両改革を推進することは、時代に適応した「質の向上」を目指す、今後の医療マネジメントの根幹であると確信しています。15:00からの第2部では、前回に引き続いて、多機関・多職種の連携強化や、地域のリーダー育成を目的とした、事例を活用したケースメソッド的事例検討を行いました。今回は、他の地域で作成された事例を検討していただきました。

 宿毛では昨年に続いて、今年も夏の陣・秋の陣と開催し、社協が中心となって行政と連携し、地域包括ケア時代のリーダー育成に努めておられます。研修会終了後の行政と社協関係者との反省会が、いつものように盛り上がります。。彼らの今後の活躍を心から期待し、できる限りバックアップしていきたいと、私自身もエンパワーされます。

 

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