「商助」マインドが地域包括時代を牽引する〜近江八幡市商助推進会議〜

   

10月30日(水)9:30〜11:30、近江八幡市のオリジナルブランドと言ってもいい「商助」の推進会議が、当市の福祉会館「ひまわり館」で開催され、滋賀県および近江八幡市のアドバイザー活動の一環としてうかがいました。高齢者の自立した在宅生活を支えるため、地域全体で多様な主体によるサービス提供や支え合い活動を推進するための体制づくりとして、介護保険制度の地域支援事業である「生活支援体制整備事業」による取り組みを展開していますが、当市では、「商助」を一つの柱として、市内はもちろんのこと全国に発信中です。私の任務は、目的確認を共有した上で、当日話し合っていただきたいポイントについて提案することですので、毎回「商助」の目指すところについて、「商助マインド」を確認する機会を持っています。いつものように、「商助」企画の中心人物である、長寿福祉課の門恭子氏の巧みな企画・進行により、マンネリ化する心配もなく、常に積極的な意見が出てくるのが楽しみです。今回は以下の3つのテーマに分かれてのグループディスカッションがメインでした。①「高齢者の能力を引き出す社会参加の創出に向けた民間事業者や地域との連携について」 ②「専門的知識を有する人材を活用した、地域の人々の健康的な暮らしの情報や居場所の提供に向けた市民や民間事業者との連携について」 ③「市民への廃棄物処理に対する意識啓発等、高齢者の生活課題の解決に向けた民間事業者および地域との連携について」です。①は商助の一丁目一番地のテーマで、前回も話し合われましたが、今回も住民のエンパワーを目標においた提案がされていました。②については、本市の「健康はちまん21プラン第二次(健康増進計画)」の達成目標である「健康を支える社会環境づくり」への、「商助」の参画について話し合われました。この目標達成のため、「商助推進事業」の登録条件にある「高齢者の社会参加の機会をつくること」「高齢者の交流の場を提供すること」の中に、高齢者の健康づくりの要素を具体的にとりいれられないかとの提案です。例えば、㋐登録店舗に握力計をおき、握力の低下のある場合、フレイル予防のためのいきいき百歳体操のすすめや高たんぱくレシピを紹介する。㋑店舗に血圧計を置き、血圧の自己管理ができるように、家庭血圧の正しい測り方を説明する。などといった取り組みです。生活支援事業推進の中で育まれてきた「商助」ではありますが、改めて「健康づくり」の一環としての場の提供や専門家の支援など、商助の地域包括ケア時代の役割や発展性が確認されました。③については、今回初めて出されたテーマで、廃墟となった空き家が放置されている環境問題も踏まえ、「終活」という考え方の中で、住民の意識啓発や行動を支援する「商助」の役割も検討されました。それぞれの分野に、まちづくりや健康づくり、そして環境分野などを所管する市の行政職員が積極的に参画されているのも素晴らしいと思いました。

「商助」はアイデアの宝庫です。「商助」の真意を理解して、これまで実践してきたことを、住民や地域の「エンパワメント」を意識することで、セルフケアや互助を引き出す原動力に生まれ変わり、事業者としての満足度向上へ、そして商売の発展へとつながっていきます。それぞれの工夫で、各自が関わってきたことを、事業者間の信頼関係を深めネットワーク化を推進することにより、協働して住民や地域に関わっていく、まさに地域づくりの取組みへと展開していることを実感しています。今後とも全国発信していって欲しいと思います

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