病院経営重視から脱却せよ~甲賀市立信楽中央病院”妄想する会”~

   

11月1日(金)18時30分~20時、甲賀市立信楽中央病院に、滋賀県のアドバイザー事業の一環としてうかがいました。2017年12月1日に初めて当病院を訪れ、失礼を承知で、「このままだとこの病院はなくなっても不思議ではない。どうせつぶれるんだったら、思い切って妄想してみて、やることやってみたらどうですか?」と申し上げました。ありがたいことに、この挑発に応えていただき、昨年の2月16日(金)そして10月11日(木)と、信楽中央病院(中島院長)にて、将来の病院の在り方や目指すべき地域づくりについて、“妄想する会”が開催されました。病院のスタッフ自身が、病院経営を立て直し創造するために、課題解決型から目的達成型に考え方を切り替え、妄想をイメージし、その実現に向けた協働を推進していこうというマインドです。さて、今回は妄想後どう変わっていったか、また新たな妄想についてお話が伺えることを楽しみにうかがいました。

前回より少し減ったのが気になりましたが、信楽中央病院の中島院長、医師5名、事務長、職員等、多職種の病院関係者参加のもと、甲賀市の健康福祉部長、健康福祉次長、福祉医療政策課長、福祉医療政策課担当者、そして県からは角野理事と中村愛子氏、荒木甲賀保健所長、宇野保健師などのゲストを迎え、北川副院長の進行のもと、これまでの取り組みの経緯や、現状の課題や今後の展望について、報告がありました。「妄想する会」立ち上げの時は、「住民から愛される病院」をコンセプトに、妄想することを奨励してきたのですが、時間の経過とともに、行政からの指導もあって、やはり経営の立て直し・・・「いかに多くの患者さんに来てもらえるか!」が見え隠れして、妄想ではなく課題解決のためのアイデアに変貌しつつある状況に、現場の厳しさを思い知らされました。少々ショックではありましたが、思い直して、病院関係者だけでなく市の行政の方々にも、どんな地域を目指し、その実現のためにどんな病院を創っていけばいいのか、互いに話し合うことから、協働して欲しいことや、住民のためにではなく、住民と共に、「おらが村の病院づくり」に取り組んで欲しい旨、お伝えしました。最後に、中島病院長から、私のコメントにこたえるように、「住民の近くに我々がしばしば出かけて行き声を聴いていきたい」「市長さんはじめ行政の方とも膝を詰めて話し合っていきたい」といったまとめのお話をうかがうことができました。現場ですので、いろいろ紆余曲折あると思いますが、必ずや乗り越えていただけると、当病院の今後に心から期待しています。

 

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