地域中核病院が生活に戻すための医療を推進する~西宮心不全地域連携フォーラム~

   

12月12日(木)19:00~、煉瓦館2階ホール(西宮市酒蔵通り)において、第6回目の西宮市において「心不全地域連携フォーラム」が開催され、特別講演講師としてお招きいただきました。「心不全パンデミックの時代に我々は何ができるのか?」を掲げ、急性期病院や専門病院においても、病院経営のキーワードは地域連携であり、地域包括ケアシステムの真意を理解して、地域の“かかりつけネットワーク”と連携して、生活に戻す医療を推進していこうと取組んでおられます。全国レベルでは、まだまだ医療機関は疾病管理を最重視し、患者が医療に過剰依存している状況ですが、患者や住民の暮らしに着目した地域づくりに目を向ける医療機関は増えつつあるように思います。西宮渡辺心臓脳・血管センターや市立芦屋病院のような当地域の中核病院が、心不全への取組みを通じて、いかに生活に戻すかを意識して、院内はもとより、地域にアウトリーチをかけ、多機関との連携を図りながら、地域包括ケア時代の医療を推進していくか、大きな期待があります。


林央氏(西宮渡辺心臓・血管センター循環器内科)および、吉崎しのぶ氏(訪問看護ステーション訪問看護師)からの一般講演の後、地元で開業されている半田信夫氏(半田医院長)の座長のもと、約60分、このところ恒例になっていますが、パワポなしで、コードレスマイクで、100名を超える参加者に語りかけながらの口演させていただきました。私の講演テーマは「その人らしい生き方(暮らし)を実現するための地域連携」としました。講演後、参加者から熱心な質問をいただき、共感の声をいただくとともに、特に理想と現実のギャップを、具体的にどう狭めていくかなど、予定の時間を超えてディスカッションが行われ、私自身エンパワーされました。


この会を主催されている民田浩一先生(当センター長)からのご依頼でしたが、以下のようなメールを講演後にいただきました。
「昨日は、わざわざ西宮までお越しいただきまた、貴重なご講演を賜り有難うございました。
 常日頃行おうとしている方向性が間違いなかったのだと気づかせていただき力をいただいたように思います。私は、医療とは人を幸せにすることだと思っています。その中でプロとして専門性の高い技術や知見を磨くことは大事だと思いますが、実際は提供する医療行為と目の前の人に本当に必要とされていることとが解離することを前任の神戸市立医療センター中央市民病院で働いているときに数々目にしてきました。その中で専門医のみに任せば任すほど患者が誤った決断にいたってしまう(患者と医療者の持っている知識は対称ではないため)と思うようになりました。患者の内包している本来の望みはどこにあるか、多職種で患者とかかわりあう中で気づきまたは患者自身に気づいていただけるように手助けしていく、その中で高度な医療の提供が必要ならその時は惜しみなく行える、そういった施設となるように今後も心がけていきたいと思います。そして地域の先生方や医療関連の方々と益々、協働できるように努力したいと思います。また、先生のお話を拝聴できる機会を楽しみにしております。今後ともご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願いします。西宮渡辺心臓脳・血管センター 民田浩一拝」・・・・・素晴らしい。心強い限りです!!

 - その他