生活を支えるための急性期病院の役割~桑名市在宅医療・介護連携支援事業多職種研修会~

   

2月8日(土)14:00~17:00、三重県桑名市のNTNシティホール(3階大会議室)において、桑名市在宅医療・介護連携支援センター主催の令和元年度在宅医療・介護連携支援事業多職種研修会が開催され、講師としてお招きいただきました。平成24年4月に、東、西、南医療センターの3病院が、桑名市総合医療センターとして一本化され、さらに平成30年4月に新築した1つの病院(病床数400床:市川毅彦病院長)に集約されました。病院には地域医療センターを設置して、市川院長自身が併任し、他の医療機関との連携強化に取組んでおられます。
第1部は、「生活を支えるネットワークを築く~急性期病院を地域で活用するために~」と題して、私の方からお話をさせていただき、第2部は、桑名市の事例を用いたケースメソッド的事例検討を、グループワーク方式により行いました。目の前の課題に振り回されて、それぞれの都合が優先され、患者ファーストが曖昧になってしまい、本来の医療の目的が達成できない状況を回避しなければなりません。急性期病院と地域(包括)との連携について、互いの状況を理解しながら、患者主役の連携をどのように進めていけばいいのか、目的志向型の話し合いです。対象は桑名市内の医療・介護・福祉専門職、行政職などの専門職で、約80人が参加しました。市川院長そして青木大五氏(桑名医師会長)はじめ、病院や医師会員も最初から最後まで参加され、ディスカッションにも積極的に加わっていただきました。


これまで桑名市では住民を対象とした講演会や、多職種連携を推進するためのセミナーを実施してきましたが、4回目となる今回は、急性期病院と地域の医療介護機関との連携を、住民の生活を支える視点から推進していくかに狙いを置いています。生活に戻すことを最重視した「入院前から退院支援」が実行できるように、地域包括ケアを支える病院と、かかりつけ医他地域の医療介護のネットワークとの、日常的な関係性の強化が必要です。。病院自身が地域にアウトリーチをかけ、その構築に参画することは、地域との信頼関係や連携強化につながり、病院にとっても極めて重要である。地域が地域包括ケアを支える病院を育て、病院が地域の暮らしを支える基盤を育てるといった、互いの関係性の充実強化を図ることが求められています。互いに理解しながら、推進していくための後押しになればとの思いで企画されました。


終了後の懇親会には、桑名市長の伊藤徳宇氏も駆けつけられ、市川院長や青木医師会長らと共に、総合医療センターを核においた桑名医療介護システム構築に向けた構想が話し合われました。私もワクワクしています!! 桑名の今後の具体的な展開に注目したいと思います。

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