いま、ENメソッドを開発しています

   

― 人の力を引き出し、Well-beingを育む医療をめざして

今日は、私がいま取り組んでいる「ENメソッド」について、少し書いておきたいと思います。

といっても、まだ完成したものをご紹介するという段階ではありません。

むしろ、いままさに作っている途中です。

これまで私は、医療、地域づくり、産業保健、そしてさまざまな人との出会いを通して、「人を支えるとはどういうことなのか」を考え続けてきました。

そして現在、2027年の開院を目指して「ENクリニック」をつくろうとしています。

そのクリニックづくりと並行して、これまで考え、実践してきたことを一つの形にまとめてみよう。

そこから生まれてきたのが、**「ENメソッド」**という構想です。


病気を治すだけではなく、その人の「力」を見る

医療ですから、病気を診断し、治療することはもちろん大切です。

血圧や血糖値、検査結果などを評価することも必要です。

しかし、それだけが医療のゴールなのでしょうか。

私は以前から、少し違うことを考えてきました。

医療者が「こうしなさい」と指導するだけではなく、

その人自身が持っている力をどう引き出すか。

病気があっても、その人が自分らしく生活し、自分で選び、自分で取り組み、必要なときには周囲の力も借りながら生きていく。

そのために医療は何ができるのか。

ここが、ENメソッドの大きな出発点です。


セルフケアとエンパワメント

ENメソッドの中心に置こうとしている考え方の一つが、セルフケアです。

セルフケアというと、「自分で健康管理をすること」と捉えられがちです。

しかし、私が考えているセルフケアはもう少し広いものです。

自分自身の状態に気づく。

自分にとって何が大切なのかを考える。

できることを自分で選択する。

そして、自分なりの生活をつくっていく。

その力を医療者が外から「与える」のではなく、本人の中にある力を引き出していく。

そこには、私が長年大切にしてきたエンパワメントという考え方があります。

医療者は「指導する人」ではなく、その人が自分の力を発揮できるように環境を整え、一緒に歩く存在でありたいと思っています。


そして「EN=縁」

もう一つ、ENメソッドで大切にしたいのが「縁」です。

健康やWell-beingは、一人だけでつくられるものではありません。

家族、友人、職場、地域、医療・介護・福祉の専門職。

人はいろいろな人とのつながりの中で生きています。

必要な人と必要な人がつながる。

必要な資源につながる。

そして、そのつながりから新しい力が生まれる。

私はこれまでの仕事の中でも、この**「縁をつくること」**を非常に大切にしてきました。

だからこそ、新しいクリニックにも「EN」という名前をつけました。

ENメソッドもまた、人と人、人と地域、人と社会をつなぎながら、その人自身の力を引き出していく方法でありたいと思っています。


ENクリニックを「実践の場」にする

ENメソッドは、机の上で理論だけをつくって完成させるつもりはありません。

むしろ逆です。

これからつくるENクリニックそのものを実践の場にしたいと考えています。

患者さんとの対話。

医師、看護師、保健師をはじめとした多職種との連携。

地域とのつながり。

産業保健との連携。

オンラインも含めた新しい医療のあり方。

そうした一つひとつの実践の中で、

「これはうまくいった」

「ここは少し違う」

「もっとこうした方がいい」

という経験を積み重ねながら、ENメソッドを磨いていきたいと思っています。

つまり、クリニックをつくりながらメソッドをつくり、メソッドをつくりながらクリニックを育てる。

この二つは別々のプロジェクトではありません。

私の中では、一つの取り組みです。


そして、いま「本」にまとめようとしています

もう一つ、現在取り組み始めているのが書籍化です。

これまで自分が考えてきたこと、実践してきたこと、そしてこれからENクリニックで実践していきたいことを、少しずつ言葉にしています。

もちろん、簡単ではありません。

長年の経験の中で感覚的にやってきたことを、

「なぜそう考えるのか」

「何を大切にしているのか」

「他の人が実践するとしたら、どうすればいいのか」

と改めて問い直し、言葉にしていく必要があります。

しかし、この作業そのものが、ENメソッドを形にしていく大切なプロセスなのだと思っています。


完成してから発信するのではなく、「途中」も残しておきたい

今回、このブログを書こうと思った理由もここにあります。

ENメソッドはまだ完成していません。

ENクリニックもまだ開院していません。

書籍もこれからです。

だから普通なら、

「もう少し形になってから発表しよう」

と考えるのかもしれません。

でも私は、この途中経過も残しておきたいと思いました。

最初から完成されたものがあったわけではない。

人と出会い、考え、試し、修正し、また新しい人とつながる。

その繰り返しの中から、少しずつ形になっていく。

そのプロセス自体が「EN」なのではないかと思うからです。


地域から、全国へ

まずは松山で。

ENクリニックという小さな場所から始めます。

そこで実践し、検証し、改善する。

そして、それが本当に人の力を引き出し、その人らしい生活やWell-beingにつながるものであるなら、クリニックの中だけにとどめる必要はありません。

医療だけでもありません。

地域づくり、介護、福祉、産業保健、健康経営など、さまざまな場所で応用できる可能性があると思っています。

将来的には、

「松山で生まれたENメソッドを全国へ」

そんな展開ができれば、と考えています。

もちろん、まだずっと先の話です。

まずは目の前の一歩からです。


「この指とまれ」で、一緒につくっていく

ENメソッドには、完成形があって、私がそれを皆さんに教えるというイメージはありません。

私が大切にしている言葉があります。

「この指とまれ」

です。

同じ方向を面白いと思う人。

一緒にやってみたいと思う人。

それぞれ違った専門性や経験を持った人たちが集まり、一緒に考え、一緒に実践する。

そして、そこからまた新しい「縁」が生まれる。

そんな形でENメソッドそのものも育っていけばいいと思っています。

まだ、開発途中です。

だからこそ面白い。

数年後、このブログを読み返したとき、

「ENメソッドは、この頃はまだこんな段階だったんだな」

と思える日が来るかもしれません。

ENクリニックづくりとともに、ENメソッドもこれからどのように育っていくのか。

私自身も楽しみにしています。

これからも、その途中経過をこのブログで少しずつお伝えしていきたいと思います。

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