緩和ケアチームが牽引する地域連携~広島市立安佐市民病院からの発信~

      2018/03/20

3月18日(日)10:30~ 安佐区民文化センターにて、広島市立安佐市民病院地域連携講演会が、病院関係者や安佐地域の医療福祉関係者の参加のもと開催され、講師としてお招きいただきました。講演の座長をしていただいた安佐市民病院の平林直樹院長は、以前医療マネジメント学会愛媛支部総会にお招きしたご縁があります。当病院は地域のがん拠点病院でもあり、緩和ケアを軸足に、生活に戻すための地域連携に先駆的に取組まれており、既に入院前から退院支援をスタートされております。緩和ケアに関わっている医療者は、Peaceプログラムの普及や、アクティブ・ケア・プラン(ACT)の推進を通じて、QOL・QOD等生活を重視した連携には、極めて関心が深く実践もされています。安佐病院もまさにその典型で、今後非がんも含めて、あらゆる患者を対象に、生活を重視した地域連携を推進していこうという思いで、今回の企画がされたとのこと、大変心強く、モチベーション高く講演に臨みました。

テーマは、『地域包括ケア時代』生活に戻すための医療と多職種連携~元気高齢者が地域を創る担い手となるために~です。地域包括ケア時代における医療・介護そして行政は、社会的弱者ケア重視で取組んできたこれまでを180度変えて、社会的弱者となりがちな方々がその人らしく生きていくために、むしろ社会に貢献する地域の担い手として支える、まさに元気高齢者等を育成する役割に切り替えていかなければなりません。してあげ型では自助共助は引き出せず、依存を助長するばかりです。日々の課題解決型の活動を見直し、目的達成型に切り替え、医療の目的は何かを考えれば、自ずと今後が見えてくるはずです。医療や介護が関わることで、一方では患者・住民の過剰依存からの社会的弱者を産み出している現状を素直に受け止め、本来の健康を実現するための役割を果たすために、パラダイムシフトを図ることが求められています。その変化が住民の自助共助を引き出し、患者力・住民力・地域力を育む原動力になるのです。

前日に院長はじめ病院の関係者の皆さんと懇談の場を持たせていただきましたが、熱い思いに溢れる意見交換の中で、安佐市民病院は、その方向に間違いなく進まれていることを実感しました。いずれ全国に先駆的な病院運営や地域づくり活動を、広く発信されると心から期待しております。

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